テッサリア

百科事典マイペディア 「テッサリア」の意味・わかりやすい解説

テッサリア

ギリシア中部,エーゲ海に臨む地方。現在は4県を含み,中心都市はラリッサ。豊かな平野が広がり,古くからギリシアの主要な小麦産地で,タバコ綿花オリーブなどの栽培も行われる。アイオリス人居住地で,前30世紀ごろから新石器文化が栄えたが,ポリス形成はおそく,前4世紀以後マケドニア,次いでローマ服属アルゴナウタイ伝説発端の地。1万4037km2。75万3888人(2001)。
→関連項目オリンポス[山]テッサリア文化メテオラ

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改訂新版 世界大百科事典 「テッサリア」の意味・わかりやすい解説

テッサリア
Thessalía

ギリシア中北部の地方名。山脈によって北のマケドニア,西のエペイロス南西アイトリアと隔てられ,広い平野をもち,ギリシア有数の肥沃な地方。馬の産地としても古代から有名である。主要都市はラリッサ。ディミニ,セスクロなどの新石器時代の遺跡はギリシアの中でも際だつが,歴史時代のギリシア世界ではむしろ後進の地で,長くアレウアダイ家などの寡頭支配が続き,前5世紀になって一種の連邦制を形成した。前4世紀にフェライのイアソンアレクサンドロス,次いでマケドニアのフィリッポス2世に支配され,前197年ローマに服属し,14世紀にはオスマン・トルコに支配され,19世紀末ギリシアに帰属した。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「テッサリア」の解説

テッサリア
Thessalia

ギリシア北部の一地方。ペネイオス川が貫流する広大な平野を擁し,穀物生産と馬の飼育で有名。新石器文化は栄えたが,歴史時代には後進地域で,ポリスの形成が遅れた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「テッサリア」の解説

テッサリア
Thessaria

ギリシア北東部,エーゲ海に面する地方
アイオリス人が多く居住。ポリス形成はおくれ,前4世紀の中ごろ,マケドニアのフィリッポス2世に征服された。馬の飼育地域としても有名。

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世界大百科事典(旧版)内のテッサリアの言及

【エピロス帝国】より

…続くテオドロス1世はテッサロニキのラテン人王国を滅ぼし(1224),〈ローマ人の皇帝〉として戴冠式をあげたが,クロコトニッツァでブルガリア人の王アッセン2世に敗れ(1230),帝国の威勢は急速に傾いた。版図は二分され,テッサロニキは1246年ニカエア帝国の手におち,残存部分もミハエル2世の死(1271)後エピロスとテッサリアにさらに分かれ,それぞれ別々のアンゲロス家一族によって支配された。エピロスでは1318年以後ケファロニアのオルシニ家が代わって君臨した。…

※「テッサリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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