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テンジクダイ Apogon lineatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テンジクダイ
Apogon lineatus

スズキ目テンジクダイ科の海水魚。全長約 9cm。体はやや太く,かつ側扁する。眼が大きく,下顎上顎より長い。尾鰭の先はほぼ直線で両端は丸い。体は灰色でわずかに赤色を帯び,体側に約 10本の淡褐色の横帯がある。産卵期は7~9月。卵は雄の口内で保護され,そこで孵化する。肉は練製品の原料とされる。本州中部以南に分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テンジクダイ
てんじくだい / 天竺鯛
verticalstriped cardinalfish
[学]Apogon lineatus

硬骨魚綱スズキ目テンジクダイ科に属する海水魚。本州中部以南、台湾、中国、フィリピンなどに分布し、内湾から100メートルくらいの深さの砂泥底にすむ。全長9センチメートルに達し、体は長楕円(ちょうだえん)形で側扁(そくへん)する。口や目が大きい。臀(しり)びれには2棘(きょく)がある。体色は白みが強く、体側に約10個の灰褐色の横帯がある。産み出された卵は粘液性の糸で互いに連なる卵塊となり、これを雄が口にくわえて孵化(ふか)するまで保護する。また、本種は有毒の鋭く長い棘(とげ)のあるガンガゼというウニの間に隠れて身を守る習性がある。
 テンジクダイ科の魚類のうち、本州中部以南の沿岸で普通にみられる種類は、本種とネンブツダイであるが、和歌山県の沿岸や南西諸島のサンゴ礁海域には多くの種類がおり、日本から五十数種知られている。大群をなして生活するもの、単独に生活するものもあり、おもしろい生態を示すものが知られている。雄が口に卵をくわえて保護するものは多くの種類で観察され、また発光魚も知られている。ツマグロイシモチA. elliotiやアトヒキテンジクダイArchamia lineolataなどは発光体が消化管に連結し、ウミホタルと同じ発光素であるルシフェリンをもち発光する。ヒカリイシモチSiphamia versicolorでは腹部前方に発光器があり、発光バクテリアの共生で発光する。[片山正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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