デンマーク語(読み)デンマークゴ(英語表記)Danish

翻訳|Danish

デジタル大辞泉 「デンマーク語」の意味・読み・例文・類語

デンマーク‐ご【デンマーク語】

インド‐ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属する言語デンマーク公用語

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精選版 日本国語大辞典 「デンマーク語」の意味・読み・例文・類語

デンマーク‐ご【デンマーク語】

  1. 〘 名詞 〙 インド‐ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属する言語。デンマーク、およびその自治領グリーンランド、フェロー諸島の公用語。発音正書法との食い違いが著しいが、語形変化単純化されている。スウェーデン語ノルウェー語アイスランド語フェロー語とともに、北欧語と総称される北ゲルマン語群を形成する。

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改訂新版 世界大百科事典 「デンマーク語」の意味・わかりやすい解説

デンマーク語 (デンマークご)
Danish

デンマーク王国の公用語であり,約509万人(1977)により使用される。デンマーク語はゲルマン語派の中の東ノルド語に属し,歴史的に古デンマーク語(1525ころまで)と近代デンマーク語(1525ころ以後)の二つの時期に区分される。デンマーク語の最古の記録は新ルーン文字による9世紀以降の碑文であり,最古のラテン文字による記録としては,14世紀の各地方の法律写本が残されている。

 古デンマーク語の時代には,母音の後の子音p,t,kのb,d,gへの変化,声門閉鎖音の出現などデンマーク語特有の音韻現象,また,ハンザ同盟の進出に伴う低地ドイツ語からの商工業に関する語彙の大規模な借用が起こっている。1397年よりデンマークはノルウェーと連合関係に入り,その結果,デンマーク語は支配者の言語としてノルウェーにおける行政・教会など公的な領域でノルウェー語に取って代わるようになった。16世紀の宗教改革の時代,聖書のデンマーク語訳《クリスティアン3世欽定訳聖書》(1550)は文語の統一に向けて大きな力を及ぼし,18世紀以降,J.L.ホルベアをはじめとする多くの作家たちは文語の規範の確立に貢献した。

 19世紀後半以来,デンマークでは数次にわたり正書法の改正が行われたが,1948年の改正において,名詞の大文字書きの廃止,長母音を示す母音の重複aaのåによる置換えが行われ今日にいたっている。
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百科事典マイペディア 「デンマーク語」の意味・わかりやすい解説

デンマーク語【デンマークご】

インド・ヨーロッパ語族の北ゲルマン語(ゲルマン語派)に属する言語。15世紀ごろまではスウェーデン語と近い関係にあった。16世紀ころから現代語が形成され,また,1537年―1814年の間デンマークの主権下にあったノルウェーでも標準語として使用された。ドイツ語の影響が強い。後置定冠詞がある。話し手の数は約500万人。
→関連項目スウェーデン語ノルウェー語

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世界大百科事典(旧版)内のデンマーク語の言及

【ノルウェー語】より

…ラテン文字による記録では,12世紀後半以降の法律,宗教,歴史などに関する写本が残されており,その中でも特に重要なものは,13世紀中ごろの教訓的内容をもつ《王の鑑(かがみ)》である。 ノルウェー語は,14世紀の中ごろから,スウェーデン語デンマーク語と同様に,名詞・動詞の屈折体系の崩壊と語順の固定化などの言語的変化を経て,それまで多くの共通性をもっていたアイスランド語と決定的に分離した。1397年からノルウェーはデンマークと連合関係に入り,その結果,デンマーク語が行政・教会などあらゆる公的な領域でノルウェー語に取って代わり,ここにノルウェーにおける文語(=デンマーク語)と口語(=ノルウェー語)との間には大きな断絶が生じることになった。…

※「デンマーク語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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