フランス南東部、バール県の県都で、港湾都市。マルセイユの南東約50キロメートルに位置し、地中海に面する。ツーロンともいう。人口16万0639(1999)、16万7479(2015センサス)。北部には要塞(ようさい)のあるファロン山を控え、南部はセベ半島に囲まれたトゥーロン湾に臨む天然の良港を有する。港はフランス第一の軍港で、大規模な海軍工廠(こうしょう)がある。そのため産業は造船業、化学工業など海軍関連の分野が発達し、商業の発展も海軍の存在に負うところが大きい。地中海地方特産のワインやオリーブなどの食料品工業も立地する。商港は東側にあり、これら食料品を輸出して、石油、木材などを輸入している。また、コート・ダジュールの西端に位置して、平均気温は1月8.6℃、7月22.6℃、年降水量706ミリメートルと気候温暖であり、交通の便もよいところから海浜保養地ともなっている。
[青木伸好]
古代にはローマの植民地で、真紅色染料の産地として知られていた。中世にはしばしばイスラム教徒の侵略を受けた。13世紀なかばからアンジュー伯の領地となり、そのころはプロバンスの一村落にすぎなかったが、15世紀末にプロバンスが王領に併合され、トゥーロンはブルボン王朝の海軍基地となり、それ以来、この地は軍港都市として栄えるようになった。ナポレオンはここからエジプト遠征に向かった。7月王政期(1830~1848)に進められたアルジェリアの植民地支配は、トゥーロンの発展を促進するとともに、軍港都市としての性格をいっそう強めるようになった。第二次世界大戦中、フランスの戦艦の大部分がここに集められていたが、ドイツ軍がこれを奪おうとすると、フランス側は船底に穴をあけて沈め、敵の手に渡るのを防いだ(1942年11月)。
[本池 立]
フランス南部,地中海に臨む軍港都市。バール県の県都。人口16万0549(1999)。西から東に突き出すサン・マンドリエ岬によって守られた同名の湾の奥部にある。ローマ時代に遡り,古称はテロ・マルティウスTelo Martius。16世紀にアンリ4世が港と城郭を整備し,海軍工厰を設置してより,軍港・造船工業都市として発達した。1793年フランス革命では王党反革命派の拠点となった。
執筆者:谷岡 武雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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フランス地中海岸の港市。軍港として重要。16世紀より軍事的重要性を増し,ルイ14世時代にヴォーバンらによって軍港,城塞の整備が進められた。フランス革命中,反革命派の拠点となる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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