シラベ(読み)しらべ

改訂新版 世界大百科事典 「シラベ」の意味・わかりやすい解説

シラベ/調べ (しらべ)

(1)能の開演直前に,〈鏡の間〉で囃子方が奏する短い楽曲。元来は楽器の調子を整える意味があったが,のちに一定の形式ができ,それに従って奏する。能管,小鼓,大鼓,太鼓(太鼓なしのときもある)の順に奏する。〈舞囃子〉や〈一調〉のときは楽屋で奏する。また,小鼓,大鼓,太鼓の2枚の革を結ぶ〈調緒(しらべお)〉(麻紐)を単にシラベと呼ぶこともある。(2)下座(げざ)音楽の用語で,時代狂言大名屋敷大広間の場の開幕出入りに用いる楽曲。能のシラベを模したもので,能管と小鼓,大鼓,太鼓で奏する。(3)尺八楽の用語で,演奏前に楽器の状態や指のぐあいを調べること。〈竹調べ〉ともいう。また,本曲の冒頭に置かれている前奏的楽節をも指す。(4)箏曲の用語で段物を〈調物〉といい,《六段》《八段》を《六段の調》《八段の調》などともいう。
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百科事典マイペディア 「シラベ」の意味・わかりやすい解説

シラベ

シラビソとも。東北地方南部〜四国亜高山帯にはえるマツ科の常緑高木。樹皮灰白色樹脂が多い。葉は線形で先はわずかにくぼみ,裏は白い。雌雄同株で,6月開花。果実は円柱形で,秋,暗青紫色に熟す。材は建築器具,土木用材,パルプとし,樹は庭木,クリスマス・ツリーとする。
→関連項目オオシラビソ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シラベ」の意味・わかりやすい解説

シラベ
しらべ

シラビソ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シラベ」の意味・わかりやすい解説

シラベ

「シラビソ(白檜曾)」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のシラベの言及

【トドマツ(椴松)】より

…しかし,若い造林木は寒風と晩霜の害を受けやすいので,大面積皆伐跡地やくぼ地を避け,あるいは保護樹帯を設けて植栽する必要がある。 近縁のシラビソA.veitchii Lindl.(英名Veitch’s silver fir,別名シラベ)(イラスト)は高さ40mに達し,球果は暗青紫色でやや小さく,球果上部の苞鱗のみ超出する。福島県吾妻山以南の関東・中部地方太平洋側と紀伊半島大峰山系および四国脊梁(せきりよう)山系の亜高山帯に分布し,富士山や八ヶ岳には広大な純林もみられる。…

※「シラベ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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