(読み)トウ

デジタル大辞泉の解説

とう【投】[漢字項目]

[音]トウ(漢) [訓]なげる
学習漢字]3年
物をなげる。ほうりなげる。「投下投棄投球投石
野球で、投球。また、「投手」の略。「投手投打・投飛/完投継投好投失投続投暴投
あきらめてなげ出す。「投降投了
さし出したり入れたりして、ある場所に収まるようにする。「投稿投獄投資投宿投書投票投薬帰投恵投
うまくつぼにはまり込む。「投機投合
[名のり]ゆき
[難読]石投(いしなぎ)投網(とあみ)

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大辞林 第三版の解説

とう【投】

スポーツで、投げること。 「 -打そろったチーム」
野球で、投手陣や投手力。
(接尾語的に用いて)投げた回数を表す。 「槍投げの第一-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

とう【投】

〘名〙 野球で、投手としての任務、または力量。「投打に活躍」

とう・じる【投】

(サ変動詞「とうずる(投)」の上一段化したもの)
[1] 〘自ザ上一〙 =とうずる(投)(一)
[2] 〘他ザ上一〙 =とうずる(投)(二)
煤煙(1909)〈森田草平〉一八「はっと全我を提げて投じることが出来ないのです」

とう‐・ず【投】

〘自他サ変〙 ⇒とうずる(投)

とう‐・ずる【投】

[1] 〘自サ変〙 とう・ず 〘自サ変〙
① つけいる。つけこむ。乗ずる。
※地蔵菩薩霊験記(16C後)四「物に応じ機(き)に逗(トウ)ずるの上には」
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一二「洋装流行の嗜好に投(タウ)ずる最も廉(やすね)にして美な品であれば」
② (自分の身をある場所に置く意から) 宿泊する。やどる。とまる。投宿する。また、乗り物に乗る。
※豩菴集(1420)山水図・有鷺「波声撼動沙辺樹、欲宿今無枝可一レ投」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「去って隣村の旅舎に投(トウ)ず」
③ 降参する。投降する。
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉老余の半生「勤王家も大に悟りて開国主義に変じ、恰も佐幕家の宿論に投(トウ)ずるが故に」
④ あう。一致する。投合する。
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉五「意気投(タウ)じ処論合って」
[2] 〘他サ変〙 とう・ず 〘他サ変〙
① なげる。なげ入れる。
(イ) 物をなげ出す。ほうる。
※史記抄(1477)一二「大石を三百歩ばかり投ずるぞ」
(ロ) (自分の身をある環境になげ入れる意から) 進んで身をゆだねる。また、身を置く。
※正法眼蔵(1231‐53)礼拝得髄「一向に仏法に身心を投ぜんことを、ふかくたくはふるこころとせるは」
※受胎(1947)〈井上友一郎〉「いはゆる芸界に投じて以来の辛酸についても語った」
② 入れる。おしこめる。
※久保清太郎・久坂玄瑞宛吉田松陰書簡‐安政六年(1859)八月一三日「此段上に不届候処、後脇より露顕せし故投獄」
③ 贈る。与える。また、投与する。
※三教指帰(797頃)中「卿之投薬、前視千金之裘、猶龍虎
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「余、金を投(トウ)じて之れに謝せん」
④ ふるう。はらう。
⑤ (金などを)つぎこむ。
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一「銭を投じて買ふ可し」
⑥ 募集に応じて作品を送ったり、選挙で投票したりする。
※あきらめ(1911)〈田村俊子〉二「富枝は脚本を書いて見た。〈略〉ある新聞で懸賞の脚本を募った時に試しにそれを投じておいた」
※侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉譃「『清き一票』を投ずる筈はない」

な・ぐ【投】

〘他ガ下二〙 ⇒なげる(投)

なげ【投】

〘名〙 (動詞「なげる(投)」の連用形の名詞化)
① 投げること。多く、他の語と複合して用いる。「槍投げ」「砲丸投げ」「身投げ」など。
② 相撲、柔道などで相手をかかえ、腰をひねってころがす技をいう。相撲では上手投げ、首投げ、柔道では足わざ、真捨て身わざなどがある。
※俳諧・独吟一日千句(1675)第七「目の玉も下へころりと露散て 抛のかちとてたつ相撲の場」
③ なげやりにすること。ぞんざいにすること。心をこめてしないこと。
※歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)二幕「命を投げにしつけぬ盗人」
④ 勝負を投げだすこと。囲碁・将棋で、終局にならない前に勝算が認められなくなった時、持っている石や駒を投げ出して負けを表明すること。転じて、やりかけたことをやめること。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)五立「おれが気めえじゃア、とても武士にはなれまいと、そこで侍ひはなげにうって商売屋」
⑤ 取引市場で、相場が下がって損失が明らかな場合、それ以上の損失を避けるため損を覚悟で売ること。〔英和商業新辞彙(1904)〕
⑥ 「なげぶし(投節)」の略。
※浄瑠璃・吉野忠信(1697頃)一「逢ひたさ見たさの唱歌をば、なげに歌ふつ書いて見つ」
⑦ 建築で、部材の面の傾斜の角度。たとえば木負(きおい)、茅負(かやおい)の前面の傾斜度をいう。
⑧ 女性の袂に名刺や手紙を投げ入れることをいう不良少年仲間の隠語。
※わが新開地(1922)〈村島帰之〉九「女子の袂に名刺や手紙を投入する『なげ』」

な・げる【投】

〘他ガ下一〙 な・ぐ 〘他ガ下二〙
① 空中に物をほうり出す。手の力で遠くへ飛ばす。なげうつ。ほうる。
※書紀(720)神代上(丹鶴本訓)「此よりな過(す)ぎそとのたまひて、即ち其の杖を投(ナケ)ます」
② 体をほうり出す。倒れるように、寄りかかったりひれ伏したりする。また、身投げをする。入水する。
※古今(905‐914)雑体・一〇六一「世の中のうきたびごとに身をなげば深き谷こそ浅くなりなめ〈よみ人しらず〉」
※平家(13C前)一〇「五躰を地に投げ、発露啼泣し給ひしかば」
③ 持っている物を差し出す。提供する。投与する。
※米沢本沙石集(1283)六「随分の資財をなけて、などか助成し給はざるべき」
④ その場所に向けて、ある作用が届くようにする。
※何処へ(1908)〈正宗白鳥〉一三「月は木の間に洩れて、新しい光を縁側に投げてゐる」
※春の城(1952)〈阿川弘之〉二「定まり文句を谷井に投げると、騒ぎながら外へ出て」
⑤ 放棄する。途中でやめる。また、手抜きをする。
※洒落本・婦美車紫(1774)夜中の口舌「さつまとあのやしきはむつかしい、なけなんすな」
※黯い潮(1950)〈井上靖〉一「新聞記者としてのして行くやうなタイプではなかったが、担当した仕事は投げなかった」
⑥ 相手を拒否する。ふる。
※雑俳・柳多留‐一一(1776)「なげられもしやうかと初会片くろう」
⑦ 相場が下落することを見越して、損を承知で安く売る。⇔煎れる
※新撰大阪詞大全(1841)「なげるとは 物をやすふうること」
投節(なげぶし)を歌う。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)五「此辺(ここら)は気を替へ、一銚子あげ、一投(ひとなげ)なげて」
⑨ 建築用語で、一定の所から外の方へ出す。
⑩ 囲碁、将棋などで、負けを認める。投了する。

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