トコタン(読み)とこたん

日本歴史地名大系 「トコタン」の解説

トコタン
とこたん

アイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川の名称としても記録されている。近代に入って当地一帯は山越内やまこしない村に包含された。仮名表記は「トコタン」(「協和私役」、玉虫「入北記」、「観国録」など)が多く、漢字表記には「登古坦」「床丹」(野作東部日記)がある。語義について板本「東蝦夷日誌」に「沼所との義也」とある。地況は「野作東部日記」に「山越内ヨリ三十四町余海辺小高キ野ナリ、南山際マテ半里モアルベシ」とみえる。板本「東蝦夷日誌」にはトコタンとして「漁屋、蔵有、夷家、村政」「此辺当時出稼商人屋等立て賑し。此道の上に萢地有。水田に宜敷地勢也。夷家数十軒立並たるを過一り廿九町、ユウラツプ」とある。しかし「丁巳日誌」(由宇羅津布日誌)には「トコタン、むかし土人五軒有し由。


トコタン
とこたん

漢字表記地名「床丹」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。天保郷帳には「子モロ持場」のうち「トコタン」とみえ、当地一帯は近代に入り平糸ひらいと村に包含された。仮名表記は「トコタン」のほか異表記をみない。「地名考并里程記」は語義について「夷語コタンなり。則、村の崎といふ事。扨、ウとは山崎の事、コタンとは村、亦は所等と申事にて、此崎に夷家有故、此名ある由」と記し、板本「東蝦夷日誌」には「沼村と云儀也」とある。「東蝦夷地場所大概書」に記載される「根諸場所」内の川の名称として「トコタン」がみえる。


トコタン
とこたん

漢字表記地名「床丹」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入って群別くんべつ村に包含された。一七九八年(寛政一〇年)の谷口青山沿岸図(市立函館図書館蔵)には「タン子別」に続けてトコタンと記される。仮名表記は「トコタン」(「東海参譚」「観国録」「行程記」、「蝦夷日誌」二編、板本「西蝦夷日誌」など)のほか「トウコタン」(西蝦夷地名考)がある。「西蝦夷地名考」に語義について「トウは沼の事、コタンは所也。


トコタン
とこたん

漢字表記地名「床潭」のもとになったアイヌ語に由来する地名。当地一帯は近代に入り床潭とこたん村に包含された。仮名表記は「トコタン」が多い(木村「蝦夷日記」、「東蝦夷地場所大概書」、「蝦夷日誌」一編、「戊午日誌」能都之也布誌)。能都之也布誌は語義について「此上に小さき沼有るが故に号るとかや。本名トウコタンと云よし也」と記す。クナシリメナシ蜂起にかかわる記録「寛政蝦夷乱取調日記」に「飛脚の場」として「とこたん」がみえる。


トコタン
とこたん

漢字表記地名「床丹」のもととなったアイヌ語に由来する地名。「東海参譚」にトコタンとみえ、夷家三軒とある。遠山・村垣「西蝦夷日記」ではトンコタンとする。天保郷帳ではシマコマキ持場のうちとしてトコタンがみえる。「蝦夷日誌」(二編)にヘヒコタンとあり、「夷人小屋二軒、二八小屋有」という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「トコタン」の解説

トコタン

愛知県常滑市にある競艇場、常滑競艇場の公式マスコットキャラクター。

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