トラバーチン(英語表記)travertine

翻訳|travertine

世界大百科事典 第2版の解説

トラバーチン【travertine】

平行な縞状の細孔を持つ無機質石灰岩。温水,湧泉中に溶けていた石灰分が沈殿して形成されたものであり,平行な縞は堆積の跡を示している。細孔はあるものの,湯の華などとは比較にならぬほど緻密で,広義の大理石の一種として扱われ,古来,建築用,装飾用に広く使用されてきた。 石材として利用されるトラバーチンではトラベルティーノ・ロマーノという石材名で知られるローマ東郊20kmのティボリ産のものが飛び抜けて有名である。

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大辞林 第三版の解説

トラバーチン【travertine】

緻密ちみつ・硬質で縞しま状構造をもつ石灰岩。水に溶けている炭酸カルシウムが沈殿してできたもの。湧泉沈殿物や、石灰洞中の石筍せきじゆん・鍾乳石として産出。装飾用石材にする。イタリア産のものが有名。

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精選版 日本国語大辞典の解説

トラバーチン

〘名〙 (travertine) 大理石の一種。緻密(ちみつ)な縞状構造をもつ。湧泉(ゆうせん)や地下水の炭酸カルシウムが沈殿してできる。建築や家具用材となる。〔住宅の健康法(1958)〕

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世界大百科事典内のトラバーチンの言及

【鍾乳洞】より

… 鍾乳洞の特色は洞内にさまざまな石灰華の二次生成物が見られることである。石灰華travertineは地下水に溶存している炭酸カルシウムCaCO3が水温の変化や水の蒸発などのため炭酸ガスCO2の空中への放出によって過飽和となり,沈殿して方解石の結晶となったもので,それが諸種の洞穴生成物をつくる(図)。洞の天井からつらら状に垂れ下がる鍾乳管や鍾乳石,その直下の洞床に筍状に生長する石筍(せきじゆん)stalagmite,この両者が連結した石灰華柱(石柱ともいう),内傾した洞壁から幕状に垂れ下がる石灰幕limestone curtain,外傾した洞壁に滝状にかかる流華石の一種である石灰華滝,傾斜地を流れ下る水流によってつくられた畦石プールが何段にも鱗状に並んだ石灰華段丘travertine terraceなど変化に富んでいる。…

【大理石】より

…生物の遺骸である化石が発見されることも珍しくはない。縞状の石のなかでもっとも多く使われているのは,トラバーチンという平行な縞状の細孔をもつ石灰岩である。クリーム色のもの,それに褐色の縞の入ったもの,褐色,赤などさまざまな種類があるが,ローマ東郊のティボリ産のクリーム色のトラバーチンは,一石種としての産額はカラーラの白大理石よりもさらに多く,世界いたるところのビルに使用されている。…

※「トラバーチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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