トレードオフ

精選版 日本国語大辞典「トレードオフ」の解説

トレード‐オフ

〘名〙 (trade-off) 経済で、完全雇用に近づけば物価が上昇し、物価上昇がおさまれば失業が増大するという物価と雇用の二律背反的関係をいう。

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デジタル大辞泉「トレードオフ」の解説

トレード‐オフ(trade-off)

失業率を低めようとすれば物価の上昇圧力が強まり、物価を安定させようとすれば失業率が高まるというように、一方を追求すると他方が犠牲になるような両立しえない経済的関係。

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世界大百科事典 第2版「トレードオフ」の解説

トレードオフ【trade‐off】

いくつかの政策目標をたてて経済政策がとられたときに,一つの政策目標を達成しようとすると,他の政策目標がうまくいかなくなったりすることが多い。たとえば,失業問題を解決しようとして景気拡大政策をとると,物価問題が深刻になったり,逆に,インフレーションを抑えようとして景気縮小政策をとると,失業の増大をみる。二つの政策目標あるいは経済的変量の間にこのような現象がみられるとき,一般にトレードオフの関係にあるという。

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世界大百科事典内のトレードオフの言及

【完全雇用】より

… ケインズの《一般理論》(1936)以降,完全雇用の状態とは,有効需要の創出によってこれ以上雇用と産出量を増加させることができず,それを超えて生産を行おうとするときインフレーションが発生するような総産出量が達成されている状態とみなされるようになった。しかし多くの国において,失業が存在するにもかかわらずインフレが生じ,インフレと失業との間にトレードオフ(二律背反)の関係,すなわちフィリップス曲線で表されるような関係がみられる。これらの経済には,上述したような最大の総産出量の存在は必ずしも明らかでなくなる。…

【雇用政策】より

…以上の意味での完全雇用の達成と維持を第2次大戦後の政府の政策目標とすべきであるとし,完全雇用政策の名を高からしめたのは,W.H.ベバリッジの〈自由社会における完全雇用〉(1944)と題する報告であり,大戦後先進工業国はいずれも完全雇用の達成を政府の経済社会政策の中心目標の一つに据えることになった。
[失業率と物価上昇率間のトレードオフ関係]
 こうして,1950‐60年代には,先進工業国では,世界的好況のせいもあって,完全雇用に近い状態が実現したといわれるが,この間物価水準が上昇し,雇用水準の維持という政策目標と物価安定という政策目標との間にトレードオフ(二律背反)の関係がみられ,注目されることになった。そこで,いま縦軸に物価上昇率をとり横軸に失業率をとると,両者の間には座標軸の交点に対して凹の負の非線型の曲線で表される関係があるとするフィリップス曲線をめぐって議論が展開されることになった。…

※「トレードオフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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