ドッキング(その他表記)docking

翻訳|docking

デジタル大辞泉 「ドッキング」の意味・読み・例文・類語

ドッキング(docking)

[名](スル)
人工衛星宇宙船が、宇宙空間結合すること。
二つの物が結合すること。「テレビパソコンドッキングさせる」

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精選版 日本国語大辞典 「ドッキング」の意味・読み・例文・類語

ドッキング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] docking ) 宇宙船や人工衛星が、宇宙空間で結合すること。転じて、二つの事物が結合すること。
    1. [初出の実例]「二層に分かれた自動車積載用甲板(デッキ)へのブリッジはすでにドッキングされている」(出典:大いなる逃亡(1975)〈田中光二〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「ドッキング」の意味・わかりやすい解説

ドッキング
docking

宇宙空間で二つ以上の宇宙船が結合することをいい,ランデブーrendezvous(二つの宇宙船が同じ軌道に入り,接近した状態でともに飛行すること)に引き続いて行われるものである。1966年にジェミニ10号とその目標船が有人ドッキングに初めて成功し,67年にはコスモス186号と188号とが無人ドッキングに成功した。さらに大きな意味をもったドッキングには,アポロ計画での月着陸船(LM)と司令船CSM)のドッキングや,アポロ・ソユーズ共同飛行における米ソ宇宙船のドッキングがある。ドッキングとランデブーは,将来の宇宙開発の発展に非常な重要性をもってくる。たとえば,スペースコロニー,宇宙工場のような大型構造物の建設など,ランデブーとドッキングの技術が進歩すれば,これらのことは実現可能になってくる。

ドッキングを確実に行うためには,ランデブー船を目標船に接近させるときの誘導システムの特性,ドッキング時の衝撃緩和と結合技術,エンジン停止時間の精度などの問題がある。ランデブーのとき,両者速度の差が大きいと,ドッキングの衝撃が大きく,ランデブー保持時間(両者がいっしょに飛行する時間)がきわめて短くなり,目的を達成することがむずかしくなる。このことは,目標船の軌道とランデブー船の軌道が,ランデブー点(ランデブーを行う場所)で接していることを必要とする。このように,ドッキングにはランデブーの技術が大きな問題となってくる。ランデブーにはいろいろな方法があるが,一般には,まずランデブー船を目標船の軌道面と同じ待機軌道へ投入し,そこからランデブー用軌道に移す方法が用いられている。このとき,ランデブー用軌道には,エネルギーが最少ですむホーマン型軌道移行(ホーマン軌道)が利用されている。

 ドッキングは,基本的には,(1)ランデブーの最終段階で残っている位置,姿勢,速度などの最終調整,(2)反動力が生ずる前の初期接触捕捉(ほそく),(3)結合時の反動力が少なく,またこれを吸収するような機構による結合,(4)結合の保持,(5)ドッキング,(6)結合目的によっては両構造体間の連結個所のシール,などの手順で行われる。また,結合された構造物が,計画的に,または緊急事態の発生時には,すみやかにドッキングの逆の過程によって安全に分離可能な性能をもつことを要求される。ドッキングの機構の構造的な代表例はアポロのCSMのプローブ探針)とLMのドローク(円錐)との結合構造である。

 一般に,有人ドッキングの場合は連結個所のシールの気密性の問題はあるが,無人ドッキングのほうが操作や技術の面からむずかしく,精度のよい遠隔操作システムが必要となってくる。
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百科事典マイペディア 「ドッキング」の意味・わかりやすい解説

ドッキング

二つ以上の人工衛星や宇宙船が宇宙空間で会合し,その機体を結合すること。宇宙ステーションの組立て,宇宙ステーションへの移乗,有人宇宙船の救助等に不可欠の技術。ランデブー飛行に引き続いて行われるもので,ドッキング時の衝撃を小さくし,両者がランデブーしている時間を長くする必要がある。1966年にジェミニ10号が最初に有人ドッキングに成功,1975年にはソ連のソユーズ宇宙船と米国のアポロ宇宙船とのドッキングが実施された。
→関連項目ソユーズ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドッキング」の意味・わかりやすい解説

ドッキング
docking

衛星船や宇宙船が,宇宙空間でほかの飛行体と近づき (ランデブー) 結合すること。アメリカでは 1966年3月ジェミニ8号が標的のアジェナとドッキングしたのが最初。ソ連では 67年 10月コスモス 186号と 188号が無人ドッキングに,69年1月ソユーズ4号と5号が有人ドッキングに成功した。また 75年7月には,アメリカのアポロ宇宙船とソ連のソユーズ 19号が国際的ドッキングに成功した。

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