ドニプロ(読み)どにぷろ(その他表記)Днiпро/Dnipro

デジタル大辞泉 「ドニプロ」の意味・読み・例文・類語

ドニプロ(Dnipro/Дніпро)

ウクライナ東部、ドニプロペトロウシク州の都市。同州の州都で、国内有数の重工業都市として知られる。ロシア帝国時代の18世紀、ドニプロ川沿いに築かれた要塞に起源し、ポチョムキン宮殿、プレオブラジェンスキー聖堂などの歴史的建造物が残る。人口、行政区102万、都市圏102万(2008)。
[補説]ロシア帝国時代はエカチェリーナ2世にちなみエカチェリノスラーフと称された。1926年ドニエプロペトロフスクに改称。ソ連解体による独立後はウクライナ語に改めドニプロペトロウシクとなり、2016年より現名称。

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共同通信ニュース用語解説 「ドニプロ」の解説

ドニプロ

ウクライナ東部にある同国有数の工業都市。ドニエプル川の河岸に位置し、ロシアのウクライナ侵攻前は100万人規模の人口を誇った。冷戦時代から兵器製造やエネルギー産業などの重工業を主力産業としてきた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発・製造で知られる軍需企業「ユジマシ」は米国との軍拡競争の最前線にあった。2022年2月24日に始まったロシアの軍事侵攻後、ドニプロも攻撃対象となり、市民らに大きな被害が出ている。ウクライナ2代目大統領のクチマ氏や元首相のティモシェンコ氏ら、ゆかりの政治家を多数輩出しており、ソ連時代から人材の宝庫となってきた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドニプロ」の意味・わかりやすい解説

ドニプロ
どにぷろ
Днiпро/Dnipro

ウクライナのドニプロペトロウスク州の州都で、ウクライナ屈指の重工業都市。旧称エカチェリノスラーフЕкатеринослав/Ekaterinoslav(~1796、1802~1926)、ノボロシースクНовороссийск/Novorossiysk(1796~1802)、ドニエプロペトロフスクДнепропетровск/Dnepropetrovsk(1926~1991)、ドニプロペトロウスクДнiпропетровськ/Dnipropetrovs'k(1991~2016)。エカチェリノスラーフは女帝エカチェリーナ2世にちなむ。ドニエプロペトロフスクは政治家G・I・ペトロフスキー(1878―1958)を記念したもの。人口106万5000(2001)、99万0381(2018推計)。1783年ドニプロ(ドニエプル)川を見下ろす高台に要塞(ようさい)として創設され、いまも市街の中心はここにある。左岸の低地を含めて市域は川沿いに長さ15キロメートル、幅5キロメートルにわたる。右岸に河港があり、川沿いに重工業地帯がある。製鋼、機械組立て、化学などの工業が発達し、ペトロフスキー記念製鉄所、コミンテルン記念製鉄所、ドニエプロペトロフスク・タービン工場などの大工場があり、ほかに製鋼用機械、コンバインタイヤコークス、大型プレス機械の工場もある。総合大学が置かれ、工業技術の研究・教育施設も多い。18世紀末建築のポチョムキン宮殿(現在学生会館として使用)、プレオブラジェンスキー聖堂などの歴史的建造物が残る。1983~1984年、地下鉄の運行が開始された。

渡辺一夫・上野俊彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドニプロ」の意味・わかりやすい解説

ドニプロ
Dnipro

ウクライナ中東部,ドニプロペトロウシク州の州都。1783~96年,1802~1926年エカテリノスラフ Ekaterinoslav,1796~1802年ノボロシースク Novorosiysk,1926~2016年ドニプロペトロウシク Dnipropetrovsk(ロシア語名ドネプロペトロフスク Dniepropetrovsk)。ドニプロ川(ドネプル川)中流部,サマーラ川流入点近くに位置する。エカテリーナ2世治下のウクライナの新都市として 1783年に建設。1880年代に鉄道が建設され,モスクワドンバスドネツ炭田),オデーサ(オデッサ)などと結ばれてから工業化が進み,人口が急増した。1920年代以降,近くのクリビーイリーフ(クリボイログ)の鉄鉱石,ニーコポリのマンガン鉱,ドンバスの石炭,ドニプロ川の水力発電などを利用し,製鉄業をはじめとする重工業が発展した。1970年代に隣接するイフレン(イグレン),プリドニプロウシク(プリドネプロフスク)を吸収合併した。鋼管,機械類(冶金,農業,製紙,車両,プレス)などを製造する。また石炭化学製品,プラスチック,タイヤ,塗料,セメント,鉄筋コンクリート,製紙,食品,製靴などの工場もある。鉱山,農業,化学技術,冶金,医学などの大学がある。鉄道分岐点で空港もある。人口 98万948(2021推計)。

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