ドビー(英語表記)Doby, Larry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドビー」の意味・わかりやすい解説

ドビー
Doby, Larry

[生]1923.12.13. サウスカロライナ,カムデン
[没]2003.6.18. ニュージャージー,モントクレア
アメリカ合衆国の野球選手。本名 Lawrence Eugene Doby。アメリカンリーグで初,大リーグではジャッキー・ロビンソンに次ぐ 2人目のアフリカ系アメリカ人選手。1942~43年ニグロ・ナショナル・リーグのニューアーク・イーグルスでプレーしたのち,アメリカ海軍に入隊。1946年イーグルスに戻り,1947年アメリカンリーグのクリーブランド・インディアンズに入団した。1948年はインディアンズのセンターとして活躍し,打率 3割1厘を記録。ワールドシリーズでは本塁打を打ってチームを勝利に導いた。1950年には打率 3割2分6厘を記録し,出塁率でリーグ首位に立った。リーグ本塁打王のタイトルを 2回獲得。1954年には 126打点を記録してインディアンズのリーグ優勝に貢献した。1947~59年の 13年間にわたり,インディアンズのほかシカゴ・ホワイトソックス,デトロイト・タイガーズでプレーし,オールスターゲームに 7回出場。1962年に現役復帰し,日本中日ドラゴンズで 1シーズンプレーした。その後はモントリオール・エクスポズ,インディアンズ,ホワイトソックスなどでコーチ歴任。1978年ホワイトソックスの監督に就任し,アメリカンリーグで 2番目のアフリカ系アメリカ人監督となった。1998年野球殿堂入りを果たした。

ドビー
dobby weave

織物の製造法の一種。蜂巣織りや簡単な紋様を織りつくることで,これをつくる装置をドビー装置という。ドビーで織った細かい紋織りをドビー織物といい,ワイシャツ生地などでこの名称のものが多い。なお,複雑な紋織物をつくる方法ジャカードがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ドビー」の意味・わかりやすい解説

ドビー
dobby

織機開口装置の一種で,明治の初め,ジャカードなどといっしょにヨーロッパから輸入された。織物の組織が複雑になり,綜絖(そうこう)(ヘルド)が10枚を超えるとタペット装置では種々の不都合を生ずるので,10~30枚程度の綜絖を必要とするとき,この装置が用いられる。ふつう16枚前後のものが多く,単動式と複動式の2種類がある。単動式消極ドビーは単動式のジャカードとまったく同じ原理で上口(うわぐち)開口を行う。明治の初めには,ジャカードの取扱法の手ほどきをこのドビーを用いて行ったが,現在はあまり使用されていない。複動式消極ドビーは一つの綜絖に対して二つのフックがあり,半開開口を行うもので,綜絖を何回か続けて上昇させる場合,一方のフックにより持ち上げられていた綜絖は,次の開口に移るとき少し下降するが,途中から別のフックにより再び上昇する。消極式のものはばねで綜絖は下降するが,レバーを介して積極的に綜絖を下降させる積極ドビーもある。
織機
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デジタル大辞泉プラス 「ドビー」の解説

ドビー

《Dobby》英国の作家J・K・ローリングによるファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズに登場する生物。マルフォイ家の屋敷しもべ妖精だが、主人公ハリーを慕っている。

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世界大百科事典(旧版)内のドビーの言及

【織物】より

…73年には佐野常民によってオーストリア式が輸入され,86年には桐生にアメリカから米国製のものが輸入されている。また77年ころにはジャカードより簡便な紋織機ドビーも輸入された。さらに機織を完全に機械化した力織機も,76年にはドイツから輸入された。…

※「ドビー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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