どや街(読み)ドヤガイ

デジタル大辞泉 「どや街」の意味・読み・例文・類語

どや‐がい【どや街】

日雇い労働者などの泊まる簡易旅館が多く集まっている地域

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精選版 日本国語大辞典 「どや街」の意味・読み・例文・類語

どや‐がい【どや街】

  1. 〘 名詞 〙 日雇労働者などを泊める簡易旅館が集まっている区域俗称
    1. [初出の実例]「山谷のドヤ街を思わせる、汚いその食堂の傍には」(出典:都に夜のある如く(1954‐55)〈高見順〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「どや街」の意味・わかりやすい解説

ドヤ街
どやがい

住居不定の日雇労働者が宿泊する簡易宿所の集中している街区のこと。ドヤは「宿(ヤド)」の逆さことばである。日雇労働者に仕事を斡旋(あっせん)する業者が毎朝多数やってくることから寄せ場(よせば)ともいわれ、東京都の山谷(さんや)地区、大阪市のあいりん(愛隣)地区(旧、釜ヶ崎(かまがさき))、そして横浜市の寿(ことぶき)地区が、日本三大寄せ場として有名である。なかでも、あいりん地区はその規模において日本最大である。住居環境は簡易宿所を中心に簡易アパート、間貸家などからなる。また、日雇労働者を対象にした、飲食店や違法の賭博場(とばくじょう)もあるといわれている。宿泊者は、離婚、死別家出別居など家族関係的な問題を抱える中高年の男子単身者が大部分を占め、不安定な就労状況に置かれた経済的弱者が多く、内臓疾患や神経疾患など健康上の問題を抱える者も多い。ひとことでいえば社会的弱者が多い。こういった劣悪な環境から、慈善団体や市民団体による炊き出しなどの支援活動も行われている。また、ドヤ街では日雇労働者による暴動がこれまで何度も発生しており、最近では、2008年(平成20)にあいりん地区で起こっている(第24次西成暴動(にしなりぼうどう))。他方、近年には変化もみられる。たとえば、あいりん地区では、従来の簡易宿所を改装して格安宿泊施設に形を変え、外国人バックパッカーの需要にこたえているものもある。また、同地区では、生活保護受給者向けの宿泊施設である福祉マンションも多く建てられているが、受給者の生活保護費の一部または全部家賃として吸い上げる貧困ビジネスが発生するなどの社会問題も増加している。

[上田光明]

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