ドラセナ(その他表記)Dracaena

デジタル大辞泉 「ドラセナ」の意味・読み・例文・類語

ドラセナ(〈ラテン〉Dracaena)

キジカクシ科ドラセナ属植物総称低木または高木観葉植物フラダンスの腰みのにする。

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精選版 日本国語大辞典 「ドラセナ」の意味・読み・例文・類語

ドラセナ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] dracaena ) ユリ科の一属。アジアおよびアフリカの熱帯に約五〇種が野生し、また観賞用にリュウケツジュ、トラフセンネンボクなどが温室などで栽培される。常緑の低木、まれに高木で、長い剣状の葉を叢生または疎生する。葉にはふつう縞、条帯、斑点などがある。花は小形の漏斗状または狭鐘形で房状または円錐状に排列する。リュウケツジュ属

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改訂新版 世界大百科事典 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ
Dracaena

リュウゼツラン科リュウケツジュ属(ドラセナ属)Dracaenaの低木~高木で,熱帯アジアからアフリカに約50種がある。センネンボクCordylineと混同されやすい。観葉植物として多くの種が栽培される。ドラセナ・フラグランスD.fragrans Ker-Gawl.の園芸品種のマッサンゲアナcv.Massangeanaは長さ40~60cm,幅5~8cmの緑色長形葉で,中央に幅広く淡黄色の縞が入る。節間がつまり草姿のよいマッサンゲアナ・コンパクタcv.Massangeana Compactaもある。ワーネッキイcv.Warneckiiは熱帯アフリカ原産のドラセナ・デレメンシスD.deremensis Engl.の園芸品種で,1926年に導入され,現在も観葉鉢物の代表種である。葉は細い剣状で,緑色葉の中央に幅広い乳白色の不鮮明斑が入り,両端だけ白条が鮮明に入る。枝変りが発生しやすく,葉縁が淡黄色の覆輪となるロエルス・ゴールドcv.Roehrs Gold,節間が短く,葉も極端に短くなったワーネッキイ・コンパクタcv.Warneckii Compacta,基本種に戻ったと見られる緑葉品種(一般にはcv.Virensと呼ぶ),その矮性(わいせい)品種で,市場ではコンパクタcv.Virens Compactaと呼ぶ小鉢物向きの品種などがある。分枝性の小型種にドラセナ・スルクロサD.surculosa Lindl.がある。茎は細く,葉は長楕円形で,淡黄白色の小斑点が全面に入る。フロリダ・ビューティーcv.Florida Beautyは斑が密生して美しく,フリードマンニイcv.Friedmanniiは中央に幅広く白色条斑が入る。ドラセナ・コンキンナD.concinna Kunthは葉が細く,幅1~2cmで,細く赤色縁取りとなる。枝変りで生じたトリカラーcv.Tricolorは赤色部が幅広くなり,黄白色斑も入る。ドラセナ・リフレクサD.reflexa Lam.の栽培品種ソング・オブ・インディアcv.Song of Indiaは茎が曲がりやすいが,黄色の覆輪が美しい。またリュウケツジュ(竜血樹D.draco L.(英名dragon tree)はカナリア諸島の原産で,樹液から染料をとる。幹は多肉質で太くなり,樹齢7000年を超すものがあるといわれる。リュウケツジュ属は,繁殖が容易で生長も早く,日陰にも強く,冬は8℃くらいで越冬し,室内装飾に適する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ
どらせな
[学] Dracaena

リュウゼツラン科(APG分類:キジカクシ科)の低木ないし高木。熱帯アフリカを中心に約40種分布し、多くの変種があり、栽培もしやすく、観葉植物の代表的存在である。葉姿がよく似るのでセンネンボク(コルディリネ)と混同され、両者をあわせてドラセナ類とよぶことがある。代表種はデレメンシス・ワーネッキーで、高さ3~4.5メートル、茎に細長い剣状の葉が密生し、葉は緑色地に乳白色の縦縞(たてじま)の斑(ふ)が入る。これよりも大形になるものにフラグランスがあり、高さ6メートル以上で、茎も太く、葉も長くて幅広いものがある。葉がきわめて細長いものにはコンシンネがあり、葉の両縁が赤色となる。高さは1.5~2メートル。葉姿がコンシンネに似る品種に、葉が短く、葉幅が広いサンデリアーナがある。高さ2~3メートル。葉姿が前記のものと違うものにゴッドセフィアナがある。これは株元から細い茎が数本株立ちとなり、葉は丸みがあり、斑点(はんてん)状に黄白色の斑が入る。ドラセナの仲間はこれらのほかに、和名リュウケツジュ(竜血樹)とよばれるドラーコがある。これは高さ20メートルほどになり、樹齢の長い木として有名である。

[坂梨一郎 2019年5月21日]

栽培

小形系は4~5号、中形系は5~8号、大形系は10号以上の鉢に植える。晩春から初秋は日陰で管理し、真夏は水を十分に与える。冬は12℃以上とし、斑の鮮やかなものは15℃以上で育てる。繁殖は6~7月、取木か、葉のとれた茎を挿すか伏せる。

[坂梨一郎 2019年5月21日]


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百科事典マイペディア 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ

熱帯アジアとアフリカ原産のリュウゼツラン科の一属。50種ほどあり,多くは単幹の低木で,葉は枝端に束生し剣状または幅広く,縦や横のしまが入り,観葉植物として鉢植にされる。さし木,取り木,実生(みしょう)等でふやす。ドラセナ・フラグランスには,葉の中央に淡黄色の条が入るマッサンゲアナ(〈幸福の木〉と呼ばれて市販されている),葉縁に黄色の覆輪が入るビクトリアなどの園芸品種がある。また,ドラセナ・コンシンナには,葉縁に紅や黄白色の覆輪が入るレインボーやトリカラー・レインボーなどの園芸品種がある。ドラセナ・サンデリアナは緑葉で縁に幅広く純白の斑(ふ)が入り,ドラセナ・デレメンシス・ワーネッキーは縁と中央に白斑が入る。ドラセナ・ゴルディエアナは緑葉に銀灰色の虎斑模様が入り,ドラセナ・スルクロサでは白い不規則な斑点が入る。ソング・オブ・インディアの名で親しまれているのはドラセナ・レフレクサの園芸品種バリエガータで,黄色の広覆輪葉が美しい。高木になるものにリュウケツジュがある。なお一般に〈ドラセナ〉という呼び名で庭木にされている高木はコルジリネである。
→関連項目観葉植物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ
Dracaena

リュウゼツラン科の木本属で,旧大陸の熱帯に生じる。広い意味のユリ科に入れることもある。ドラセナは属名であって約 50種を含む。この属を代表するものとしてカナリア諸島原産のリュウケツジュ (竜血樹)があり,赤色の樹脂 (竜血 dragon's-blood) を染料に使ったので有名である。園芸界ではこの属のうちニオイセンネンボク D. fragransなど数種と,近縁の別属であるコルディリネ (センネンボク) 属 Cordylineの数種をまとめてドラセナの名で呼び,庭木や観葉植物として鉢植などで栽培する。いずれもアフリカやニュージーランド,東南アジアなどの原産で,細長い剣状の葉をもち,葉の落ちたあとの幹は平滑である。特にセンネンボク C. terminalisは,葉が赤や白などの斑 (ふ) を交えるものが多く,観葉植物として広く栽培されている。ハワイではこの葉をティ ti-leavesと称してフラダンスの腰みのに使う。

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世界大百科事典(旧版)内のドラセナの言及

【センネンボク(千年木)】より

…ハダニとカイガラムシが発生しやすい。センネンボク属の英名はdracaeaであり,ドラセナDracaenaと混同されやすい。ドラセナ属は,多肉質の地下茎がなく,根は黄色,子房3室で各室1種子のことが多いが,センネンボク属は,多肉質の地下茎があり,根は白色,子房は3室だが各室6~15個の種子を含むので区別される。…

※「ドラセナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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