アメリカの女流教育家パーカーストHelen Parkhurst(1887―1973)がマサチューセッツ州ドルトンのハイスクールにおいて実施した教育計画のことで、正式の名称はドルトン実験室案という。
このプランは単なる教育課程や教授法の改革ではなく、学校生活の新しい方法の確立を目ざすもので、学校全体を一つの共同社会とし、「剛気なる人間」fearless human beingの育成を理想としていた。プランは、小学校4年以上の学年、学校に適用される。従来の教科を二群に分け、数学、歴史、理科、国語、地理、外国語を主要教科とし、音楽、図画、家庭、工作、体育などを副次教科とした。
プランの特色は主要教科の学習にある。「実験室」とよばれる教科別の教室が設けられ、教具や参考書などが備えられ、教科担任の教師が配される。生徒は毎月1か月分の週ごとの学習割当を教師と相談のうえで決め、それを教師との契約という形で自ら責任をもって果たす。この学習割当に従って、午前中3時間、それぞれ任意の実験室に入って自学によって学習する。その後各学級に帰り、各自進度の確認、自己評価、困難点の相談・討議などを行う。午後は学級を単位とし副次教科を一斉に学習する。
新教育運動のなかで注入主義教育を克服する大胆な試みとして、進歩的、積極的な役割を果たした。日本では大正自由主義教育運動で取り上げられたが、一部の私立校で行われるにとどまった。
[森分孝治]
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