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ナトゥフ文化 ナトゥフぶんかNatufian culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ナトゥフ文化
ナトゥフぶんか
Natufian culture

パレスチナの中石器文化。主としてイスラエル,シリアの地中海沿岸とヨルダン渓谷に分布するが,近年の調査により,南部の砂漠地帯やユーフラテス川周辺にまで広がっていたことが確認されている。 1928年イギリスの考古学者 D.ギャロッドがエルサレム北西方のワディ・エ・ナトゥフ河谷のシュクバ洞窟を調査し,そこで発見した細石器を中心とする中石器文化をナトゥフ文化と命名した。この時代には,洞窟のほか竪穴住居に住み,狩猟,漁労が行われ,農耕以前の野生穀物依存の生活が営まれていたと推測されている。発見されたの刃から草の繊維がみられるため,すでに農耕が始っていたとする説もあるが,疑問視されている。

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百科事典マイペディアの解説

ナトゥフ文化【ナトゥフぶんか】

パレスティナを中心に洪積世末期に栄えた中石器時代文化。エルサレム北西方のワディ・エン・ナトゥフWadi en-Natufで発見された。細石器骨角器が発達。文化は3期に分けられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ナトゥフぶんか【ナトゥフ文化】

パレスティナの地中海性気候地域を中心にみられる中石器文化。最初の発見地ワディ・エン・ナトゥフWadi en‐Natuf(Wādī al‐Natūf)遺跡にちなみ名づけられた。レバント地方全域に類似の文化がみられるが,典型的な文化内容をもつものは,地中海性気候地帯が主である。ナトゥフ文化の起源については諸説あったが,今日ではこの地域の後期旧石器時代の文化から,ケバラー文化,ジオメトリック・ケバラー文化を経てナトゥフ文化に至る過程が明らかにされており,パレスティナの地中海性気候地域での自生説が有力になっている。

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世界大百科事典内のナトゥフ文化の言及

【中石器時代】より

… 西アジアにおいては,ヨーロッパほど森林化への変化が顕著でなかったため,別な発展を遂げた。レバント地方を中心に分布する中石器時代のナトゥフ文化は,半月形の細石器,石刃,石皿,石杵などの石器群をともなっている。石刃の側縁には,穀草の刈取り時に付着した草の汁による光沢が残っている。…

※「ナトゥフ文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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