デジタル大辞泉
「なんだ」の意味・読み・例文・類語
なんだ[助動]
[助動][なんだら|なんで(なんだり)|なんだ|なんだ(なんだる)|なんだれ|○]動詞型活用語の未然形に付く。過去の打消しの意を表す。なかった。
「売薬の外は誰にも逢わなんだことは」〈鏡花・高野聖〉
「実否ヲ未ダ決シサセラレナンダレバ」〈天草本伊曽保・イソポが生涯〉
「物しったり物しらなんだり、物しり物しらずさ」〈滑・浮世床・初〉
[補説]語源は未詳。打消しの助動詞「ぬ」に「あった」の付いた「ぬあった」の音変化とみる説や、打消しの「なん」に過去の「た」が付いた助動詞からとする説など、諸説がある。室町時代から江戸後期まで用いられたが、江戸末期からは「なかった」がそれに代わった。現在では、主に関西方言に行われる。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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なんだ
- 〘 助動詞 〙 ( 活用は「なんだら・なんだり、なんで・なんだ・なんだ、なんだる・なんだれ・〇」 ) ( 動詞型活用語の未然形に付いて ) 過去における否定的状態を表わす。なかった。
- [初出の実例]「沛の中で豊ばかりを復せられなんたしものぞ」(出典:史記抄(1477)七)
- 「犬にとられはせなんだ歟、蛇にとられはせぬ歟」(出典:鳩翁道話(1834)一下)
なんだの語誌
( 1 )中世から用いられ、連用形「なんで」や終止・連体形「なんだ」は、主として西日本において、現代にまで継承されている。近代後期江戸語でも用いられたが、次第に「なかった」にその勢力を譲るようになった。
( 2 )「ぬ」の過去形に相当し、打消の「ぬ」および過去・完了の「た(たり)」を構成要素とすることは確実であるが、「なんだ」の語形の成立については、諸説があるものの明らかでない。
( 3 )サ変動詞「す」および助動詞「ます」に付く場合、江戸語では「せなんだ」と「しなんだ」、「ませなんだ」と「ましなんだ」の両方があった。
な‐ん‐・だ
- ( 「なのだ」の変化したもの ) =なのだ
- [初出の実例]「真箇(ほんと)に顔を見るのも可厭(いや)なんだ」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉二〇)
なんだの補助注記
話しことばで多く用いられる。丁寧形は「なんです」。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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ナンダ
Nanda
前5世紀頃のインドの僧。釈尊の異母弟。難陀と音写される。釈尊の誕生ののち,釈尊の実母マーヤー夫人は亡くなり,父スッドーダナはマーヤー夫人の妹であるマハー・パジャーパティーと結婚し,その間に生れたのがナンダである。端麗な美男子として聞え,釈尊に教導されて出家するが,それを題材としたアシュバゴーシャ (→馬鳴〈めみょう〉) の著わした詩篇『端正なるナンダ』 Saundaranada-kāvyaは文学的にすぐれたサンスクリット語の作品として有名である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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