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ヌードマウス nude mouse

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヌードマウス
nude mouse

実験動物として重宝されている突然変異系統のマウス。体に毛がないのでヌードマウスという。ヌードマウスは胸腺がないため免疫機能をもっていないので,免疫システムにじゃまされることなく異種組織や悪性腫瘍の移植実験を行うことができる。当然のことながら感染抵抗力が弱いため,飼育には外界との遮断と無菌施設の充実が必要である。

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デジタル大辞泉の解説

ヌード‐マウス(nude mouse)

ネズミ科の哺乳類実験動物のマウスの突然変異。全く毛がなく、細胞免疫で主要なはたらきのある胸腺(きょうせん)を欠く。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヌードマウス【nude mouse】

先天的に無毛で胸腺を欠損している突然変異種のマウス。無毛と胸腺の欠損は,同一の遺伝子によって支配されていると考えられている。無毛の形質を支配する遺伝子nuのホモ接合体はヌードマウスになるが,ヘテロ接合体では正常である。ヌードマウスは1960年代の初めにグリストN.R.Gristによって発見され,胸腺が欠損していることが68年に報告されて以降,医学と生物学の広範な領域において実験動物として利用されている。

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大辞林 第三版の解説

ヌードマウス【nude mouse】

突然変異種のマウス。無毛で、胸腺が欠落し、先天性免疫不全のため組織移植に際して拒絶反応がない。感染・免疫・癌がんなどの研究に利用する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヌードマウス
ぬーどまうす
nude mouse

先天的に無毛で胸腺(きょうせん)が欠損した、マウスの突然変異体。マウスには多くの無毛突然変異が知られているが、イギリスの遺伝学者フラナガンS. P. Flanaganによって1966年に報告されたものをヌードマウスといい、劣性遺伝子nude(略号nu)に支配される。この突然変異はいろいろの系統のマウスに発生するが、BALB/c、C3H、C57BLなどの系統のものがよく用いられる。ヌードマウスのもっとも重要な特徴は胸腺の先天的欠損であり、胸腺の免疫反応における意義を研究することに用いられる。このマウスには胸腺由来のT細胞がないので細胞性免疫応答がなく、液性免疫応答も不完全である。また細胞性免疫の欠損により移植片に対する拒絶反応がないため異種の動物組織を移植することが可能であり、ウサギ、ニワトリ、爬虫(はちゅう)類などの皮膚を移植して生着させることができ、ヒトの腫瘍(しゅよう)を移植して制癌(せいがん)剤の効果を試験するなど腫瘍の研究にも大きな役割を果たしている。しかし胸腺がないことと無毛の関係は明らかではない。[大岡 宏]

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世界大百科事典内のヌードマウスの言及

【ハツカネズミ(二十日鼠)】より

…寿命は3年だが飼育下では6年の記録がある。 家畜化されたものは実験用や愛玩用とされ,体色は白や黒などさまざまで,全身無毛の〈ヌードマウス〉まである。これらのものは,ヨーロッパ産の亜種が家畜化されたものといわれる。…

※「ヌードマウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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