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ネグリト Negrito

翻訳|Negrito

世界大百科事典 第2版の解説

ネグリト【Negrito】

スペイン語で〈小黒人〉を意味し,東南アジアに点々と分布する少数民族の一般名称で,インド洋のアンダマン諸島に約600人,タイ南部と半島マレーシアの内陸に約2500人(セマンSemang族),フィリピン群島に約1500人(アエタAeta族)居住する。これらのネグリトは形質,文化のうえでよく似ているが,その相互関係ははっきりせず,一説には東南アジア古代人の生残りといわれている。言語のうえではマレーシアのネグリトはモン・クメール語族に属するが,他地域のネグリトの言語との類縁関係はない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ネグリト【Negrito】

〔小黒人の意〕
アンダマン諸島・タイ南部やマレー半島の内陸部・フィリピン諸島に住み、採集・狩猟の生活を営む人々の総称。平均身長は低く、皮膚の色は黒色または暗褐色。ニグリト。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネグリト
ねぐりと
Negrito

広義にはアフリカのピグミー(ムブティ)を含むが、通常、マレー半島のセマン、フィリピンのアエタ、アンダマン島先住民をさす。ネグリトとはスペイン語で「小さな黒人」という意味の人種用語。低身長(成人男子で150センチメートル)、縮毛(しゅくもう)ないしは捲毛(けんもう)、暗褐色の肌、丸くて幅広い顔、偏平な鼻などが目だつ形質的特徴をもち、モンゴロイド的な特徴はもたない。人口は、セマンで約3000(1990)、アエタで約2万2000、アンダマン島先住民は、ヨーロッパ人のもたらした病気で急速に減少し、約500。ネグリトの起源、歴史などはよくわかっていないが、明らかにアジアにおける古い人種であり、かつては広い地域にわたって住んでいた。一時、アフリカのピグミーと密接な類縁関係があると提唱されたが、それは文化人類学者シェベスタP. Schebestaによって否定された。かつて東南アジアを通過し、現在のメラネシアへ移住した古メラネシア人種の生き残りとする説がある。アンダマン島先住民とセマンはいまでも狩猟採集民であるが、フィリピンのネグリト(アエタ)は移動焼畑を中心とした生活へと変化を遂げた。[口蔵幸雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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