ノグルミ(野胡桃)(読み)ノグルミ(英語表記)Platycarya strobilacea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノグルミ(野胡桃)」の意味・わかりやすい解説

ノグルミ(野胡桃)
ノグルミ
Platycarya strobilacea

クルミ科の落葉高木。西日本の暖地山地に生える。幹は直立し,高さ 10mに達する。葉は大きな羽状複葉で7~19の小葉から成り,互生する。6月頃,新しく伸びた枝の先に雌花の穂をつけ,これを囲んで淡黄色で尾状の雄花穂が何本もつき,下垂する。花には萼も花弁もなく,雄花は包葉内に6~10個のおしべがあり,また雌花は1個の子房から成る。果穂は直立し,濃褐色の楕円体状で長さ約 4cm,披針形で先が鋭くとがった,多数の硬い包葉が並ぶ。この包葉内に翼のある小さい堅果がある。落葉後もこの果穂だけ残るので晩秋によく目立つ。生長が速く,薪炭材に利用され,またシイタケ榾木 (ほだぎ) にも用いられる。球果を黄色の染料に用いる。

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