日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノートン」の意味・わかりやすい解説
ノートン
のーとん
Mary Norton
(1903―1992)
イギリスの児童文学作家。ロンドンに生まれる。初めは女優を志したが、結婚のために舞台生活をあきらめ、夫とともにポルトガルに住んだ。第二次世界大戦中、一時アメリカに住んだが、この間生活のために一般向けの短編を書くようになった。1943年にロンドンに戻ると、『魔法のベッド南の国へ』(1943)を皮切りに本格的児童文学の創作を始め、『床下の小人たち』(1952)でカーネギー賞を受賞。豊かな想像力と緻密(ちみつ)な描写に支えられたその作品は、イギリス児童文学史上、第三の黄金時代といわれる50年代を代表するファンタジーとして、高い評価を受けている。
[掛川恭子]