ハイブリッド材料(読み)ハイブリッドざいりょう

百科事典マイペディア 「ハイブリッド材料」の意味・わかりやすい解説

ハイブリッド材料【ハイブリッドざいりょう】

異なる物質を,分子原子レベルで混合して作った材料繊維強化プラスチックなどのように,光学顕微鏡レベルで素材を組み合わせた複合材料と区別してこう呼ぶ。たとえば,大面積化は容易だが短波長化の困難な有機半導体と,短波長化が可能で大面積化には不向きな無機半導体を組み合わせた,有機−無機ハイブリッドIC半導体)は,両方長所を兼ね備えた性質を持つ。このような素材となるそれぞれの物質の性質が組み合わさる効果だけでなく,分子・原子レベルでの相互作用によるまったく新しい機能の発現も期待される。ハイブリッドとは,〈混血〉〈混成〉という意味。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイブリッド材料」の意味・わかりやすい解説

ハイブリッド材料
ハイブリッドざいりょう
hybrid material

理研の山田嘆博士の提案した概念。異なる物質を,人為的に,原子や分子の大きさのレベルで組成を制御しながら組合せて物質系を構築して,元の物質とは異質の新しい性質と働きを与えた材料。導電性高分子に微量不純物を添加することで,電気伝導度を何桁も向上させたものなどがその例であり,繊維強化プラスチックのように,異なる物質を巨視的レベルで組合せ,元の物質の特性を継承している複合材料とは別物。高分子同士を組合せるポリマーアロイポリマーブレンドと呼ばれるものも,ハイブリッド材料の一種とみることができる。新しい物質分離膜やエネルギー変換素子などへの応用が考えられているが,生体材料の分野での用語として定着しつつある。

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