ハエトリグモ(英語表記)Salticidae; jumping spider

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハエトリグモ
Salticidae; jumping spider

クモ綱クモ目ハエトリグモ科に属する種類の総称。一般に体長 0.2~2cm,体は太くて扁平。眼は3列に並び,前列4眼のうち中央2個が巨大で前方に突出する。歩脚の末端には粘着性の毛の束が生えており,垂直面や天井などの歩行も可能である。樹上,草上,地面,壁,塀などを自由に徘徊し,巧みにジャンプして昆虫などを捕える。属種の分化が著しく,日本産だけでも 100種以上が知られている。人家にはアダンソンハエトリ Hasarius adansoni,シラヒゲハエトリ Menemerus confusus,チャスジハエトリ Plexippus paykulliなどがごく普通で,世界的に広く分布している。 (→クモ類 )

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百科事典マイペディアの解説

ハエトリグモ

蛛形(ちゅけい)綱ハエトリグモ科の総称。普通,6〜8mm。草の葉の上や木の幹の表面にすみ,家屋の内外にも多い。単眼がよく発達し,敏捷(びんしょう)でハエ,アブなどを捕食。網は張らない。ガラスの表面などを歩けるのは,前脚の先端に毛の束があって吸盤のようなはたらきをするからだといわれる。シラヒゲハエトリ(単にハエトリグモとも),アダンソンハエトリなど,多くの種類がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハエトリグモ
はえとりぐも / 蠅取蜘蛛・蠅虎
jumping spider

節足動物門クモ形綱真正クモ目ハエトリグモ科のクモの総称。種類がきわめて多く、日本だけでも80種余り知られている。体は扁平(へんぺい)で、体のわりに短い脚(あし)は太く、8眼のうち前列の中央の2個は大きくヘッドライト状なので、ほかのクモとは容易に区別がつく。ジャンプ力が強く、ハエなどを巧みにとらえる。網を張らず、家屋の内外、草上、樹上などを徘徊(はいかい)する。産卵期には一時的に住居をつくってその中に潜む。歩脚末端には2本のつめのほか粘着性の毛の束があるので、天井裏でも垂直のガラス面でも歩くことができる。成熟期には雄が雌の前で身ぶりおかしくダンスをするので有名。これを求婚ダンスという。
 屋内に多いのは関東地方ではミスジハエトリやチャスジハエトリ、関西地方ではアダンソンハエトリが多い。家屋の内外にはシラヒゲハエトリ、野外にはネコハエトリやマミジロハエトリが多い。アリグモもこのクモの仲間である。なお、ハエトリグモの種類をいうときは、最後の「グモ」を省く。[八木沼健夫]

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