ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
ハロゲン電球
ハロゲンでんきゅう
tungsten halogen lamp
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(若林朋子 ライター/2018年)
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白熱電球の一種で、窒素、アルゴンなどの不活性ガスのほかに微量のハロゲン物質(ヨウ素、臭素、塩素などの単体またはその化合物)を封入したもの。1959年アメリカのツブラーEdward George Zubler(1925―2004)らによって、石英ガラス管内にタングステンフィラメントを装着し、不活性ガスとともに微量のヨウ素を封入した、両口金付きのヨウ素電球が発明された。日本では翌年から実用化されている。タングステンコイルのフィラメントに通電して、高温による熱放射による光を利用する。ハロゲン電球は、点灯中に蒸発したタングステンがフィラメントに戻るというハロゲン再生サイクルを利用しているので、ガラス球の黒化が少なく、一般電球より光束低下が少なくて効率が高い。
ハロゲン再生サイクルとは、以下のような繰り返しのことをいう。(1)点灯中の高温のフィラメントからタングステンが蒸発してガラス壁へ拡散する。(2)ハロゲンガスもフィラメント付近で熱分解して一部原子状態になっているので、これとタングステンが反応して、ハロゲン化タングステンの化合物をつくる。(3)ガラス壁が250℃(ヨウ素の場合。臭素の場合は170℃)以上であると、ハロゲン化タングステンは蒸気となり、対流、拡散によってフィラメント近くへ移動し、フィラメントの高温でハロゲンとタングステンが分解し、タングステンはフィラメントに戻る。これを繰り返しているので、フィラメントが細くなることや、ガラス球のタングステンによる黒化が防止され、光束低下が少なく、しかも寿命も長くなる。また、一般電球に比べ、フィラメント温度を高くして、効率をあげることもできる。
ガラス球表面に赤外反射膜を形成し、ガラス球形状をくふうすることによって、赤外線をフィラメントの加熱に再利用して効率を30%程度向上させたタイプも普及している。ハロゲン電球は発光部が小さいために、配光(光の広がり)のコントロールがしやすく、指光性光源としては効率が高いため、店舗などで普及している。しかし、2000年代に入ると、より効率の高い発光ダイオード(LED)照明製品に置き換わりつつある。
ハロゲン電球のガラス球は、高温に耐えるように石英ガラスを使用するが、硬質ガラスのものもある。一般照明用などの片口金の小型のもの(反射鏡付きもある)は、点灯方向が自由であるが、投光用などの細長い管形の両口金のものは、水平点灯のみに限られる。
ハロゲン電球は、小型のうえ高輝度である。また光色(色温度3000~3400ケルビン)、演色性も優れているので、一般照明用として、店舗のスポット照明、投光照明(スポーツ施設、工場など)をはじめ、スタジオ照明、映写機、光学機器、自動車前照灯、飛行場(誘導灯など)、集魚灯、複写機露光用光源などに使用される。
[小原章男・別所 誠]
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