ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーベイ」の意味・わかりやすい解説
ハーベイ
Harvey, William
[没]1657.6.3. ロンドン
イギリスの医師,生理学者。血液循環論を初めて唱えた人。ケンブリッジ大学に学び,次いでイタリアのパドバ大学で H.ファブリキウスに学び,1602年学位を得て帰国。 09年ロンドンの聖バーソロミュー病院に勤務。 18年ジェームズ1世の特命侍医,25年チャールズ1世の侍医。 28年に『動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究』 Exercitatio anatomica de motu cordis et sanguinis in animalibusを出版し,そのなかで血液循環論を発表した。清教徒革命時には王に従ったが,48年 11月王が捕縛されたのちはロンドン郊外のコームに退き,研究生活をおくった。 51年には,『動物の発生に関する研究』 Exercitationes de generatione animaliumを著わし,「すべての生物は卵から生じる」という,生殖に関する近代の支配的命題の端緒を開いた。
ハーベイ
Harvey, Gabriel
[没]1630. エセックス,サフロンウォルデン
イギリスの詩人。ケンブリッジ大学で後輩の E.スペンサーと知合った。スペンサーの『羊飼いの暦』 (1579) にホビノルの名で登場する。激しい性格で絶えず周囲の人々と争い,風刺詩を書き,T.ナッシュや R.グリーンと文書合戦をかわした。
ハーベイ
Harvey, Sir John Martin
[没]1944.5.14. サリー,イーストシーン
イギリスの俳優,劇場支配人。ライシアム劇場のアービング一座に出演 (1882~96) ,その後多くの劇場に俳優,支配人として関係した。特に『二都物語』の翻案である『ただ一つの道』 (99) で成功を収めた。
ハーベイ
Hervey, James
[没]1758
イギリスの宗教家。初期メソジスト運動で活躍。主著に『沈思と瞑想』 Meditations and Contemplations (2部,1747) 。
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