コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

バクティ バクティ bhakti

翻訳|bhakti

4件 の用語解説(バクティの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バクティ
バクティ
bhakti

中世ヒンドゥー教を代表する信仰形態の一つ。神に対する敬愛による絶対的,献身的な拝礼,信仰を特徴とする。神の名を一心に称えることによってのみ解脱を得ることができるとする教えは,11世紀頃から,まず南インドで興り,北インドにまで及ぶが,これらを総称してバクティ派といい,その信仰者をバクタと呼ぶ。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉プラスの解説

バクティ

フランスの振付家モーリス・ベジャールによるバレエ(1968)。原題《Bhakti》。初演は20世紀バレエ団。神々に扮したダンサーがインドの伝統音楽に合わせて踊る作品。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

バクティ【bhakti[サンスクリツト]】

インドの宗教,とくにヒンドゥー教における重要概念。これは,最高の人格神に,肉親に対するような愛の情感を込めながらも絶対的に帰依することであり,ふつう〈信愛〉と訳されている。ベーダの祭式は,王侯や司祭階級バラモンたちの独占するところであり,またウパニシャッドに説かれる自己と宇宙に関する深遠な洞察は,知的エリートにのみ可能であった。バクティの概念を前面に打ち出したのは《バガバッドギーター》が最初であるが,ここにようやく,ベーダ以来の正統的宗教が一般民衆に開かれたものになり,ヒンドゥー教が急速に発展する基盤が形成されたのである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バクティ
ばくてぃ
bhakti

ヒンドゥー教を著しく特色づける信心の形態で、信愛とか絶対的帰依(きえ)などと訳されている。仏教などの信心と異なり、このバクティは、食事を分かち合う(バジュ)夫婦・肉親同士の無条件な愛をその起源としている。神にバクティを捧(ささ)げ、その恩寵(おんちょう)を受けて解脱(げだつ)に至るとする考えが最初に明確に説かれたのは、『バガバッド・ギーター』においてである。しかし、ここでは、バクティは解脱に至る三つの道のうちの一つにすぎなかった。バクティを中心に据えてそれを歌い上げたのは、ビシュヌ派のプラーナ聖典『バーガバタ・プラーナ』である。ここで歌われたバクティは、主として南インドで歓迎され、アールワールとよばれるビシュヌ派の一群の吟遊詩人たちの熱烈な歌と行動によって急速に広められ、ついには、12世紀の学匠ラーマーヌジャの手によって、その哲学、実践体系の頂点に置かれるようになった。しかしそれはまた、バラモンのような上級カーストにしか望めないものでもあったため、その後、改革運動が起こり、真に民衆のレベルでのバクティが確立された。このバクティ運動がラーマーナンダによって北インドに伝えられるや、爆発的な流行をよんだ。北インドでは、大別して、カビールのように、無属性(無形象)の神にバクティを捧げる流派と、スールダースなどのように、有属性の神にバクティを捧げる流派に分かれる。クリシュナ崇拝の大流行は後者に属する。[宮元啓一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のバクティの言及

【インド文学】より

… 多数の近代語による文学が並存するインドにおける注目すべき特徴は,諸文学相互の影響関係である。古くは,タミル文学のアールワール(神秘的賛歌の吟唱者たち)の作品に盛られた思想と熱情が,バクティの運動の大きなうねりをおこして,北インドの諸文学のバクティ文学の形成に大きな刺激を与えたことがあり,19世紀の事例では,外界に接することの多いベンガル文学とマラーティー文学が新しい思潮と文芸を他に伝えた。このような影響・伝播は,時代が下るにつれて顕著となり,今日では民間の努力と政府(国立文学アカデミー,各州機関)の支援とにより,民族文学のすぐれた作品が他の民族語に翻訳され,一民族の作品を多くの民族が享受する機会が多くなってきている。…

【エークナート】より

…正規のサンスクリットの教育を受けたが,俗語マラーティーで《バガバッドギーター》の注釈書《ジュニャーネーシュワリー》を著した13世紀の宗教家ジュニャーネーシュワルに傾倒,同書の編纂に当たった。彼は,熱烈な一神教的なバクティ(信愛)の念を歌い上げる宗教詩人として膨大な詩を作ったといわれるが,現存するものとしては,聖典《バーガバタ・プラーナ》の第11章への注釈書,《ラーマーヤナ》の精神を歌った《バーバールタ・ラーマーヤナ》がある。いずれもマラーティー語で書かれている。…

【カビール】より

…ただ彼は,だからといってヒンドゥー教に改宗したわけではない。彼は,唯一の神へのバクティ(絶対的信愛)を基軸にして,ヒンドゥー教とイスラムを批判的に統合しつつ,まったく独自の一神教を唱えた,いわば宗教改革者であった。彼によれば,さまざまな名称をもって呼ばれても,実は神はただ一つであり,しかも,天や寺院などではなく,ほかならぬ各人の心の中にのみ存在する。…

【ナーヤナール】より

…アディヤールadyārとも称せられる。彼らは,シバ派の聖典であるアーガマを研究,解説する神学者ではなく,叙事詩(《マハーバーラタ》と《ラーマーヤナ》)やプラーナなど,一般民衆にも親しみのある文献を典拠にして,神に対する絶対的な信愛(バクティ)の情感を吐露する熱烈な宗教詩人であった。彼らは寺院から寺院へと渡り歩きながら,シバ神やその神妃ウマー女神などの神像の前でタミル語の賛歌を歌い上げ,しばしば陶酔状態で踊ったりして,一般の民衆にシバ教の神髄を伝え広めた。…

【ビシュヌ派】より

…これらすべては,六つの属性(叡智と5種の力)をそなえたビシュヌ(バースデーバ)にほかならないが,そのうちの二つずつが顕現してサンカルシャナなどになるとされる。この派は,南インドのタミル地方で,バクティ(神への絶対的な帰依,信愛)の念にあふれた宗教詩を熱烈に歌いながら寺から寺へと渡り歩いたアールワールと呼ばれる一連の神秘主義的詩人たちの活動を基盤にして,シュリーバイシュナバ(シュリーとビシュヌ)派を生み出した。この派からは,有名な哲学者ラーマーヌジャが現れ,この派の教義をベーダーンタ哲学として整備し,シャンカラの不二一元論に対抗して被限定者不二一元論を唱導し,バクティを解脱への道の最高の手段とした。…

【マドバ】より

…この無知を滅しうるのは神の恩寵のみである。恩寵を得るには,神への帰依,信愛(バクティ)によらなければならない。神は信愛するものに恩寵を与えるが,直接神に近づくことはできない。…

【ラーマーヌジャ】より

…処女作は,ウパニシャッドの趣旨を明らかにしようとした《ベーダールタ・サングラハVedārtha‐saṃgraha》であるといわれ,主著は《ブラフマ・スートラ》に対する最初の宗派的色彩をもった注釈《シュリー・バーシャŚrī‐bhāṣya》である。10世紀になると,南インドにおいてヒンドゥー教ビシュヌ派の一派シュリーバイシュナバ派のアラギヤと称する学者たちの間で,信愛(バクティ)を強調する大衆的なナーラーヤナ崇拝を,ベーダーンタ哲学によって哲学的に基礎づけようとする動きがおこった。この試みに最初に成功したのがラーマーヌジャであった。…

※「バクティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

バクティの関連キーワードカビールヒンドゥー教建築ヒンドゥー教美術ヒンズーヒンズー教ヒンドゥークルクシェートラヒンドゥー教寺院ヒンドゥー法典マタ(ヒンドゥー教)

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

バクティの関連情報