ラーマーナンダ(読み)らーまーなんだ(英語表記)Rāmānanda

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラーマーナンダ」の意味・わかりやすい解説

ラーマーナンダ
らーまーなんだ
Rāmānanda

14世紀末~15世紀前半のインド宗教家。北インドのイラーハーバード出身であるが、南インドのラーマーヌジャ派に属していた。共食の問題でこの派を離れ、北インドのバーラーナシーを中心に、ラーマ神を崇拝するバクティ信愛)を説いた。北インドにおけるバクティ運動の出発点は彼であったとされる。カーストによる差別を無視し、種々のカースト出身者を弟子にした。自らラーマーナンダ派の開祖となったが、弟子のなかから、カビール派などの重要な派を生んだ。

[宮元啓一 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラーマーナンダ」の意味・わかりやすい解説

ラーマーナンダ
Rāmānanda

[生]1400頃
[没]1470頃
インドの宗教家。ヒンドゥー教徒で,もとラーマーヌジャ派に属していた修行者。神に対する信愛による解脱への道を強調し,カーストを否認し,教団内では俗語を使用し,道徳的に堕落をかもし出す危険のあるクリシュナとその愛人ラーダーへの崇拝の代りに,清純健全なるラーマとシーターへの崇拝をすすめた。彼の信徒は一つの宗派を形成し,現在も存続している。

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