バーミングハム(その他表記)Birmingham

翻訳|Birmingham

デジタル大辞泉 「バーミングハム」の意味・読み・例文・類語

バーミングハム(Birmingham)

バーミンガム

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改訂新版 世界大百科事典 「バーミングハム」の意味・わかりやすい解説

バーミングハム
Birmingham

アメリカ合衆国南部アラバマ州最大の都市。人口23万1483(2005)。〈南部のピッツバーグ〉と呼ばれるほど鉄鋼の町として有名で,1871年に町がつくられて以来急速に発展し,後進地帯の南部にとって〈新南部〉のシンボルとして騒がれた。しかし住民の約半数に及ぶ黒人たちは人種差別に苦しみ,1950年代後半から高まった黒人革命のなかで,しばしば闘争の場となった。61年〈自由のための乗車運動〉の参加者Freedom Ridersのバスは,ここで多数の反動的白人暴徒に襲撃され,62年に人種差別主義者G.C.ウォーレスが州知事に当選すると,63年キング牧師の指導する公民権闘争にも市の警察署長以下が対抗し,牧師を逮捕して刑務所に送り,64年には黒人教会が爆破された。今はこの町も黒人革命の大波に抗しきれず,黒人の進出がめざましい。市の南部には日米親善を記念する日本庭園がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーミングハム」の意味・わかりやすい解説

バーミングハム
ばーみんぐはむ
Birmingham

アメリカ合衆国、アラバマ州北部の工業都市。人口24万2820(2000)。大都市圏人口92万1106(2000)。アパラチア山脈南端、ジョンズ河谷に位置し、同州最大の都市であるとともに、合衆国南部の鉄鋼業中心地でもある。製鉄業に必要な鉄鉱石石灰岩石炭が近くで産出され、製鉄業と金属加工業が発達した。このほかにも輸送用機器、建設用資材、化学製品などが生産される。商業、金融、保険、研究機関の活動も活発で、アラバマ州北部の経済中心地である。1871年に製鉄の町として建設され、製鉄、および鉄道網の発達とともに成長してきた。その後、地元での鉄鉱石の採掘は減少し、ほとんどの鉄鉱石は南アメリカから輸入され、メキシコ湾からの運河で輸送されるようになった。アラバマ大学医学部やサンフォード大学、交響楽団、博物館、オペラ、日本庭園のある植物園などをもち、文化都市でもある。

[菅野峰明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーミングハム」の意味・わかりやすい解説

バーミングハム
Birmingham

アメリカ合衆国,アラバマ州中北部にある同州最大の都市。 1871年鉄道の結節点としてワタ畑のなかに建設された町で,1907年 U.S.スチール社が地元の鉄鋼会社を買収してから発展,南部最大の工業都市となった。付近から得られる石炭,石灰石,ドロマイト,鉄鉱石などの原材料を利用して,銑鉄,鋼・鋳鉄パイプをはじめ各種の鉄製品や石炭採掘機などを生産する。近年は鉄鋼生産は減少傾向にあり,航空機,化学製品,セメント,織物など多様な工業が発達している。近郊のレッド山頂にはローマの火神バルカンの巨大な鋼鉄像がある。 1960年代前半の M.L.キング牧師による黒人差別反対運動の本拠地。 79年には同市初の黒人市長が選ばれた。文教都市でもあり,バーミングハムサザン大学をはじめ,大学,美術館,博物館などが多い。人口 21万2237(2010)。

バーミングハム
Birmingham

アメリカ合衆国,ミシガン州南東部,デトロイトの北西 25kmにある都市。ルージュ川の岸にある。 1817年入植,駅馬車の宿場であった。現在のおもな産業は農業機具の製造である。人口1万 9997 (1990) 。

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百科事典マイペディア 「バーミングハム」の意味・わかりやすい解説

バーミングハム

米国,アラバマ州中部の工業都市。アパラチア山脈南西麓の鉄鉱石・石炭産地をひかえ南部最大の鉄鋼工業都市に発展。鉄鋼のほか,セメント,化学,機械などの工業も行われる。1960年代の公民権運動の中心地の一つ。21万2237人(2010)。
→関連項目アラバマ[州]

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世界大百科事典(旧版)内のバーミングハムの言及

【運河】より

…それはやがてマンチェスターまで延長され,マンチェスターおよびその周辺の産業に多大の影響を与え,さらにリバプールの貿易,とくにアメリカ産原綿の輸入に役立った。69年にはバーミンガム運河が炭田地帯のサウス・スタッフォードシャーとバーミンガムの間を結び,77年にはトレント・マージー運河(大幹線運河とも呼ぶ)がテムズ川をミッドランド地方に結びつけた。このようにして,18世紀半ばすぎにはじまるいわゆる運河狂時代は,工業地帯を結びつける運河網を形成しながら1830年ころまで続いたのである。…

※「バーミングハム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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