ドロマイト

精選版 日本国語大辞典 「ドロマイト」の意味・読み・例文・類語

ドロマイト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] dolomite ) カルシウム・マグネシウムなどを含有する炭酸塩鉱物。質はもろく、色は白ないし緑白で、透明または半透明日本では、栃木県佐野市と大分県津久見市で産する。苦灰石。白雲石

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最新 地学事典 「ドロマイト」の解説

ドロマイト

dolomite

化学組成Ca(Mg, Fe, Mn)(CO32鉱物。苦灰石とも。三方晶系,空間群,格子定数a0.4811nm, c1.602, 単位菱面体格子中1分子含む。晶癖菱面体,柱状・板状・八面体・粗~細粒状,双晶通常(0001),(),()。劈開}完全,断口貝殻状,脆弱,硬度3.5~4,比重2.85~3.02(Fe2+, Mn2の増加とともに増す)。ガラス~真珠光沢,純粋なものは無色~白色透明だが,Fe2+の増加につれて黄褐~褐色,Mn2+によって桃~赤色。通常は半透明。紫外線で蛍光を発する変種あり。薄片中無色,一軸性負,屈折率ω1.679~1.707,ε1.500~1.513, 屈折率および複屈折はFe2+, Mn2+の増加に伴って増す。Mgを置換してFe, Mnが入るほか,少量のCo, Pb, Znも含まれ,CaもMgを置換する。Fe<Mgのものをドロマイト(鉱物種としての),Fe>Mgのものをアンケライトと呼ぶ。またMn>Mgのものをクトナホライト(kutnahorite)と呼ぶ。変種として,Co(CoO5.17%)を含むドロマイト,Pbを含むプランボドロマイト(plumbodolomite),Mnを含むグライネライト(greinerite),Feを含むタウトクリン(tautoklin)およびブロッサイト(brossite)がある。フランスの技師で鉱物学者D.Dolomieu(1750~1801)にちなみ命名。理想的には,c軸に垂直なCaを含む八面体層とMgを含む八面体層が交互に並んだ結晶構造を有する。八面体はc軸に垂直な平面三角形のCOの酸素を共有する。CaとMgの秩序化が不完全で八面体層中で混在しているものをプロトドロマイトと呼ぶ。完新世の堆積性ドロマイトはプロトドロマイトであり,理想的ドロマイトに比べ過剰にCaを含み,015反射などの弱い超格子反射を示す。CaとMgが無秩序に混在しているものは無秩序ドロマイト(disordered dolomite)または超高Mgカルサイト(very high Mg- calcite)と呼ぶ。ドロマイトには,初生的に沈殿したものもあるが,多くは石灰岩からドロマイト化作用により生成したと考えられる。ドロマイト形成頻度は地質時代ごとに不均一で,原生代では多量に産するが現世での生成は極めて限られる。また,常温常圧では無機的合成はできない。これらのジレンマはドロマイト問題と呼ばれる。近年,硫酸塩還元菌などの細菌や古細菌多糖類の関与により無秩序ドロマイトが生成することがわかり,過去のドロマイトの大規模生成に微生物が関与した可能性がある。

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参照項目:苦灰岩

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化学辞典 第2版 「ドロマイト」の解説

ドロマイト
ドロマイト
dolomite

苦灰石,白雲石ともいう.カルシウムとマグネシウムの複炭酸塩CaMg(CO3)2,またこれを主成分とする岩石方解石と似た構造だが,Caの位置にMgが入るので対称2/mからに下がる.ドロマイト岩の主成分鉱物として産出し,層状鉱床をつくる.わが国では,ドロマイト鉱床は石灰岩を伴っている.CaCO3から交代してできた二次鉱物である場合が多い.人工的には,CO210 atm 以上のもとで,Ca,Mgの炭酸塩溶液を常温以上に保って得られる.三方晶系,空間群R,りょう面体,双晶面{0001},へき開{101}完全.方解石と共軸成長している場合が多い.硬度3.5~4.密度2.85±0.01 g cm-3.Mgのかわりに Fe,Mnが増すにつれて,比重,反射率,屈折率が増加する.二軸性,負.MgのかわりにCaがCa:Mg = 1:5まで,CaのかわりにMgが1:20まで置換する.加熱すると800 ℃ 付近でMgCO3が,950 ℃ 付近でCaCO3が分解してCO2を放出し,CaOとMgOの混合物となる.最大の用途は塩基性製鋼用耐火物であるが,ガラスや陶器,あるいは肥料にも用いられる.ドロマイトを主原料とした軽量陶器を,わが国では白雲陶器と称している.

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改訂新版 世界大百科事典 「ドロマイト」の意味・わかりやすい解説

ドロマイト
dolomite

苦灰石,また白雲石ともいう。化学組成はCaMg(CO32で,おもに石灰岩がMgを含む溶液と反応してできた鉱床に産する鉱物。ドロストーン(苦灰岩)という堆積岩もドロマイトと呼ばれることがある。Mgの鉱石。六方晶系,菱面体が普通。柱状,板状の結晶もみられ,粒状で大理石に類するものもある。もろい。モース硬度3.5~4,比重2.8~2.9。双晶面(0001),(1010)。へき開は{1011}に完全。白色ないし緑白色,帯紅色で,透明ないし半透明。方解石に似ているが冷たい酸ではすぐに泡が出ない。石灰岩の一部が苦灰岩化したものを苦灰質石灰岩という。ドロマイトはフランスの地質・鉱物学者ドロミューGratet de Dolomieu(1750-1801)にちなんで名付けられたものである。栃木県葛生,大分県津久見に産する。
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百科事典マイペディア 「ドロマイト」の意味・わかりやすい解説

ドロマイト

苦灰石,白雲石とも。化学組成がCa(Mg,Fe,Mn)(CO32の鉱物。三方晶系。菱面体結晶。へき開は完全。硬度3.5〜4.0,比重2.85〜3.02。ガラス光沢。CaMg(CO32は無色透明,Feの増加とともに黄褐〜褐色,Mnの増加とともに淡紅〜赤色。大きな堆積層をなすが,石灰石がMg溶液の作用によって変質して生成したものと考えられる。おもな用途はドロマイト煉瓦。フランスの鉱物学者D.G.ドロミューにちなんで命名。
→関連項目菊花石硬セッコウ(石膏)石灰肥料竪窯プラスター

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドロマイト」の意味・わかりやすい解説

ドロマイト
dolomite

三方晶系に属する鉱物で,理想的化学組成は CaMg(CO3)2 で複炭酸塩。色は白,灰色などを呈し,ガラス光沢がある。劈開は に完全。比重約 2.9 ,硬度 3.5~4 。日本名で苦灰石,白雲石などと呼ばれる。なお,正しくはドロマイトは鉱物名であるが,この鉱物を含む岩石としても用いられている。石灰岩などを伴って,堆積岩として広く産出する場合と,塩基性岩中や鉱脈中に産出する場合がある。堆積性のものの成因については異論が多い。製鉄用材料その他利用価値が大きい。フランスの鉱物学者 D.ドロミューにちなみ命名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドロマイト」の意味・わかりやすい解説

ドロマイト(苦灰岩)
どろまいと

苦灰岩


ドロマイト(苦灰石)
どろまいと

苦灰石

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