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パフィオペディルム Paphiopedilum; cypripedium; lady-slipper

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パフィオペディルム
Paphiopedilum; cypripedium; lady-slipper

ラン科の常緑多年草で,インドからソロモン諸島にかけて約 60種が分布する。森林内に地生,または樹上着生線形または長楕円形の葉が左右交互に重なり,その中心から花茎を伸ばして1から十数花をつける。唇弁が袋状を呈しているのが特徴で,属名英名で女神のスリッパにたとえられている。鉢植えが流通し,切り花としても利用される。花は普通,1ヵ月以上咲き続ける。栽培方法は系統によって異なるが,一般に温室内で栽培するか,明るい室内で管理する。ミズゴケを使って春に植替える。冬期は 10℃以上に保つ。

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百科事典マイペディアの解説

パフィオペディルム

熱帯アジアからニューギニアに分布するラン科の一属で,約50種がある。常緑多年生で,ふつう林床や岩上に生えるが,まれに着生するものもある。短縮した茎をもち,長楕円形で,ときに斑のある肉厚の葉を数枚左右にひろげ,花茎の先に1花または数花をつける。花は,翼状に左右に張り出した側花弁と,嚢状に大きく膨らんだ唇弁(しんべん)をもち,上部の萼片(背萼片)は大きく,2枚の側萼片が合着しているのが特徴。花色は,白,黄,緑を基調にして褐色や紫紅色を帯びるもの,あるいは斑点をもつものなどがある。交雑種も多く,春咲きの代表的な鉢植洋ランのひとつ。高湿度を好むが通風をよくすることが栽培管理に必要で,2年に1回は植え替え,冬期の最低温度は10〜15℃に保つ。ランの仲間では特異な花型をもつグループとして知られ,同様の花型をもつ熱帯アメリカ原産のフラグミペディルムやセレニペディウム,そして,ユーラシアから北アメリカの温帯〜亜寒帯に分布するシプリペディウムアツモリソウ属)とともに,アツモリソウ亜科に分類されている。シプリペディウムは日本でも自生が見られ,アツモリソウクマガイソウなどがある。
→関連項目シプリペジウム

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世界大百科事典 第2版の解説

パフィオペディルム【lady’s slipper】

ラン科のクマガイソウに近縁なパフィオペディルム属Paphiopedilumの熱帯産の地生ラン。インド北部から東南アジア,さらにニューギニアまで,約50種が広く分布している。また,アメリカ熱帯には近縁で子房が3室のフラグモペディルム属Phragmopedilumが分布する。これらの諸属は以前,アツモリソウCypripediumにまとめられていたので,園芸界では今でも略してシップCypとも呼ばれる。しかし,現在では東南アジア熱帯産の常緑で子房が1室のものは,パフィオペディルム属として分離されている。

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