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ヒアルロン酸 ヒアルロンさん hyaluronic acid

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒアルロン酸
ヒアルロンさん
hyaluronic acid

動物組織に広く存在し,ゲル状をなして細胞間および組織間をつなぐ粘度の高い結合物質で,ムコ多糖類の一種。特に動物の硝子体,関節液,皮膚や臍の緒などに多く存在する。リウマチ性関節炎ではヒアルロン酸の粘度が低下しており,また老いるに従い皮膚からこの成分が減少していく。

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知恵蔵2015の解説

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸とは、人や動物の身体の中に含まれている多糖類の1種で、特に関節の中にある関節液や関節軟骨、眼球の水晶体(レンズ部分)の後ろにある硝子体(ガラス体)、皮膚、臍帯(さいたい〈へその緒〉)などに多く含まれている。多糖類とは、単糖類が複数結合してできたものである。多糖類には1種類の単糖類からなるホモ多糖類と、2種類以上の単糖類からなるヘテロ多糖類があり、身近なものでは、デンプングリコーゲンが単糖類のブドウ糖1種類からできているホモ多糖類である。ヒアルロン酸は、へテロ多糖類の中でも、人などの生体内でたんぱく質と結合する性質を持つムコ多糖類と呼ばれるもの。ヒアルロン酸の水溶液は無色透明で粘度が高く、ゲル状になっている。人の身体の中では、関節液や関節軟骨に含まれたヒアルロン酸が、骨と骨との間の動きを滑らかにする潤滑作用や、クッションの役割を果たす緩衝作用によって、関節の動きをよくする役目を果たしている。その他にも、眼球のガラス体の中にあって眼球の形を保ったり、細菌の侵入を防ぐ、皮膚のみずみずしい張りを保つなどの働きもしている。医療用の医薬品としては、変形性膝関節症や、いわゆる五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎慢性関節リウマチによる膝関節の痛みに対して、痛みを和らげたり炎症を抑えるために関節内に注入するなどの方法で用いられている。また、眼科領域では、白内障の手術や角膜移植術の際に補助剤として使われている。最近では、美容外科でもしわ取りなどの目的で使用されているが、インターネット個人輸入などで購入し、自分で顔に注射するなどの行為が広がり、腫れやしこりなどの後遺症が問題となっている。場合によっては生命に危険が及ぶこともあるため、日本美容外科学会では公式ホームページで注意を呼びかけている。

(小林千佳子 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ヒアルロン‐さん【ヒアルロン酸】

hyaluronic acidムコ多糖類の一。眼球の硝子体(しょうしたい)や関節液・臍帯(さいたい)・皮膚などに広く分布。多量の水と結合して粘りのあるゲル状となり、組織構造の維持や細菌・毒物の侵入防御などの役をする。

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百科事典マイペディアの解説

ヒアルロン酸【ヒアルロンさん】

N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸からなる酸性ムコ多糖。分子量20万〜40万のものが多い。関節液,眼の硝子体,その他さまざまな器官の結合組織タンパク質と結合して粘稠(ねんちゅう)な状態で存在する。

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栄養・生化学辞典の解説

ヒアルロン酸


 ヒアルロナンともいう.β-D-N-アセチルグルコサミンとβ-D-グルクロン酸が交互に結合してできた直鎖高分子多糖.結合組織に主に分布する.

出典|朝倉書店
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デジタル大辞泉プラスの解説

ヒアルロン酸

高分子多糖の一種。粘性が高く、体内組織中に多く分布するが、加齢とともに減少する。薬剤では骨関節炎治療や白内障治療などに用いられる。

出典|小学館
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大辞林 第三版の解説

ヒアルロンさん【ヒアルロン酸】

多糖類の一。タンパク質と結合して動物結合組織中の基質の重要な構成成分をなし,特に関節液・眼球ガラス体・皮膚・臍帯さいたいに多くみられる。組織の保護および構造の維持,摩擦を和らげ,細菌の侵入を防ぐなどの機能を果たす。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒアルロン酸
ひあるろんさん
hyaluronic acid

糖タンパク質やムコ多糖を構成する糖の一つであるN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸とが交互に鎖状に結合した分子量20万から40万という高分子化合物で、コンドロイチン硫酸などとともに典型的なムコ多糖の一つ。動物の硝子体(しょうしたい)、関節液、臍帯(さいたい)(へその緒)、皮膚などに存在し、皮膚や臍帯ではコンドロイチン硫酸の量と同じくらい含まれている。非常に多量の水と結合してゲル状を呈し、関節の潤滑作用や皮膚の柔軟性などに関与し、また、その高度な粘り気によって細菌の侵入や毒物の浸透を防ぐことにも役だっている。さらに細胞の運動性を高める活性がある。しかし、細菌やヘビ毒、ハチ毒、ヒルの唾液(だえき)などにはヒアルロン酸を低分子化するヒアルロニダーゼが含まれており、この作用によって侵入することが知られている。[村松 喬]
『高久史麿監修『新しい治療薬のポイント(1996前期)――患者のための医薬品解説つき』(1996・メディカルレビュー社) ▽鈴木正人監修『新しい化粧品機能素材300』上(2002・シーエムシー出版)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内のヒアルロン酸の言及

【ウロン酸】より

…天然にはこれら3種のウロン酸が存在し,多糖類の成分として分布している。たとえば,高等動物の各種の組織にはヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸,ヘパリンなどの酸性多糖があって,組織の構築に関与しているが,グルクロン酸はこれらの多糖の重要な構成成分である。また,植物の細胞壁構成成分であるペクチンにはガラクツロン酸が,褐藻の粘質物であるアルギン酸には多量のマンヌロン酸が含まれる。…

【関節液】より

…正常関節液は,透明で淡黄色を呈し,きわめて粘稠(ねんちゆう)性に富んでいる。この高い粘稠性はヒアルロン酸という酸性ムコ多糖体が存在するためで,この物質は滑膜内被細胞から分泌される。他の成分のうち,低分子物質(ブドウ糖,尿素,尿酸,電解質など)は,血清におけると同じ種類のものがほぼ同じ濃度で存在する。…

【炭水化物】より

…炭水化物が光合成植物のみならず,多くの動物組織においても主たるエネルギー源となっている理由としては,遊離型で直ちに利用できる単糖と,貯蔵型の多糖の相互変換が比較的容易に酵素的に行われるという炭水化物の特性が考えられる。 第2の機能は形態構築であり,この役割を果たす多糖として,セルロース,細菌細胞壁の多糖,そして高等動物の基質中のプロテオグリカンやヒアルロン酸(ムコ多糖)などをあげることができる。これらの分子が形態上の機能を果たしうる理由はさまざまであり,以下のいずれかに対応する。…

【ムコ多糖】より

…ウロン酸,硫酸といった酸性基をもつものが多く,これらは酸性ムコ多糖とも呼ばれる。代表的なムコ多糖はヒアルロン酸hyaluronic acid,コンドロイチン硫酸,そしてケラタン硫酸keratan sulfateであり,これらは細胞間の基質の重要成分となっている。またいま一つの代表例であるヘパリンには抗血液凝固作用がある。…

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