ヒジキ

百科事典マイペディアの解説

ヒジキ

褐藻類ホンダワラ科の海藻。日本の太平洋沿岸,瀬戸内海,東アジアなどに広く分布し,潮間帯下部に大きな群落をつくる。糸状の根は岩面をはい,その所々から直立した茎を出す。茎は高さ0.3〜1m,多数の円柱状肉質の小枝をつける。春に採取し,ゆでてから乾燥して保存,食用。

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海藻海草標本図鑑の解説

ヒジキ

からだは円柱状で主軸から多くのプリプリした枝や小枝を出す。枝や小枝も円柱状であるが,中央部でやや膨らみ,中空になって気胞となるものもある。波当た りのやや強い岩上に匍匐する糸状根で岩上に着生する。春にはナタの様な形をした葉が,基部近くにみられることがある。春から初夏にかけて岩上を完全に覆い 隠すように繁茂し,生殖細胞(卵や精子)を放出した後は枯れて,直立部は消失するが,岩上に匍匐した糸状根は生残する。そのようにして糸状根は7〜8年生 き続けるという。食用に刈り取っても,糸状根が生残っていれば翌年には新芽を出す。生体は黄褐色〜琥珀色。

出典 千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場「海藻海草標本図鑑」海藻海草標本図鑑について 情報

食の医学館の解説

ヒジキ

《栄養と働き&調理のポイント》


 ヒジキは、全長20~100mある海藻で、北海道南部から九州までの外海に面した岩礁(がんしょう)地帯に分布します。
○栄養成分としての働き
 ヒジキは、カルシウムやマグネシウムの効果が抜群。貧血や、骨量が減少する更年期以降の女性に欠かせませんし、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を防ぎます。また精神安定作用があり、イライラや不眠を解消します。カルシウムは、マグネシウムとの比率が2対1のバランスのときが、もっとも効率的に体内で吸収利用されますが、ヒジキはどちらも多く、理想的な比率になっているのが特徴です。
 食物繊維も豊富で、腸内の老廃物を取り除き、便秘の解消や大腸がんの予防に役立ちます。ヨード(ヨウ素)やマンガンも含まれ、甲状腺(こうじょうせん)ホルモンの分泌(ぶんぴつ)をうながしたり、疲労を回復させたりします。
 また、ピロリ菌が胃壁につかないようにするフコイダンという物質もヒジキには含まれています。これは、コレステロールを取り込んで排出したり、がん細胞に対して抵抗力を強める作用があるほか、動脈硬化や高血圧のリスクを下げます。
 ほかに、味覚や嗅覚の異常や肌のかさつきを防ぐ亜鉛(あえん)や、粘膜(ねんまく)を正常に保ち、健康な皮膚をつくるビタミンB2も含んでいます。
 良質な干しヒジキは、大きさが揃(そろ)っていて色が黒く、つやがあるもの、生ヒジキはつやつやとしてふっくらしたものです。
 調理は、乾燥ヒジキの場合は水につけもどします。たんぱく質と結びつくと吸収がよくなるので、油揚げと炒(いた)めたり、ダイズとあわせ含め煮にすると効果的です。

出典 小学館食の医学館について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ヒジキ【Hizikia fusiformis (Harvey) Okamura】

北海道の室蘭付近以北の寒海域を除く日本各地に広く分布し,潮間帯の岩上に大きい群落をつくって生育する褐藻ホンダワラ科の海藻。茎は円柱状かひも状で葉を互生し,全長は20cm~1mになる。基部近くの葉はへら形で,へりに鋸歯があるが,中央部より上の葉は長い紡錘形であり,また葉の付け根からは紡錘形または棍棒状の気胞をつける。気胞は内部にガスを充満し,これにより体は海中で直立する。春から初夏に繁茂し,初夏に卵と精子をつくって有性生殖を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒジキ
ひじき / 鹿尾菜
[学]Hizikia fusiforme Okam.

褐藻植物、ホンダワラ科の海藻。黄褐色を呈し、やや硬い樹枝状の体枝は長く伸び、全面を細長い筒状葉に覆われる。体長は50~100センチメートルが多いが、まれに2メートル近くになるものもある。ヒジキは晩秋に新芽が伸び、冬から春にかけて繁茂期となり、晩春以後は衰退していく一年生藻である。しかし、岩面に固着している匍匐(ほふく)根部は夏季も生き残って、そこから新芽を出すことから、宿根草的多年生藻ともいえる。おもに外海の岩礁上の潮間帯下層に生育する。温海性の海藻のため、日本では北海道南部から九州南端まで広域に分布するが、本州沿岸部でよく繁茂する。また、太平洋沿岸産と日本海沿岸産とでは形状が多少違い、日本海沿岸のものはやや伸長が悪く、筒状葉も押しつぶしたように幅が広くなっている。[新崎盛敏]

食品

平安時代にも比須岐毛(ひずきも)、比支岐毛(ひじきも)とよばれ、食用とされていた。産地では春になま物が入手できるが、一般には採取したヒジキを淡水で煮て素干ししたものが市販されている。加工中に自然に主枝から離れた小枝だけを集めたものを芽ひじき、茎状の長いものが混入したものを長ひじきなどと区別もしているが、いずれも光沢のある黒いものが良質である。多量のヨードを含み、他の海藻よりもビタミンA、鉄、カルシウムの含有量の多いことで副食品として重視されている。よく水洗いして水に20~30分浸して柔らかくもどし、水けをきって調理する。堅い場合には、さらに熱湯でゆがいて水けをきって用いる。とくに油と相性がよく、大豆をはじめ、油揚げ、蓮根(れんこん)、ニンジン、こんにゃく、干ししいたけ、鶏肉、なまり節などとともに、砂糖やしょうゆの味つけでうま味が出る。前記の材料との組合せで炊き合わせたり、白和(しらあ)え、酢みそ和えなどにする。[新崎盛敏]

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