デジタル大辞泉
「ヒマティオン」の意味・読み・例文・類語
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ヒマティオン
himation
古代ギリシア人が外出のときなどに着用したマントの一種で巻衣型の外衣。1枚の大きな毛織物地で,大きさは縦1~2m,横3~5mほどであった。色は白や紫などさまざまであり,縞が入ったり,縁どりをしたものもあった。一般にはキトンとよばれる内衣の上に,右肩から左腋下を通して袈裟掛けに着用されたが,哲学者や雄弁家が体にじかに着用したり,婦人や少年がフード状に頭からかぶる場合もあった。
執筆者:篠崎 三男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ヒマティオン
ひまてぃおん
himation 英語
ιματον ギリシア語
古代ギリシアの男女が主としてキトンの上に着用したドレーパリー形式の外衣。縦1~2メートル、横3~5.5メートルほどの長方形のウール地で、さまざまな着方があったが、いずれも、体にかけるときに出る自然のひだの美しさによって、気品や優雅さを追求したものであり、キトンとともに、ドレーパリー形式の典型として後世の衣服に与えた影響は大きい。またこの語はもともと「着せる」「かぶせる」という意味をもつ語に由来しており、布地そのものをさす場合も多い。
[菅生ふさ代]
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ヒマティオン
himation
古代ギリシア人の着用した外衣の一種。男女ともに用いた。1枚の大きな方形のウール地で,小型のものは1× 3m,大型のものは2× 5mにも及び,通常は右肩から左腋下を通って袈裟掛けに着用したが,時と場合に応じて,あるいは個人の好みに応じてさまざまな着方があった。普通は日常着であるキトンの上にまとったが,哲学者や雄弁家は,ヒマティオンだけを直接からだに袈裟掛けにまとうこともあった。また用途に応じて色もさまざまであった。
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「ヒマティオン」の意味・わかりやすい解説
ヒマティオン
古代ギリシアの男女が用いた巻衣型の外衣。多くは縦1〜2m,横3〜5.5m程度の方形で,普通キトンの上に着用するが,女性が頭からかぶったり,男子が体にじかに着ることもある。毛織物,麻織物が用いられ,白のほか緋(ひ),紫などがあり,縁飾りを施したものもある。
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