ヒメハギ科(読み)ヒメハギか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメハギ科」の意味・わかりやすい解説

ヒメハギ科
ヒメハギか
Polygalaceae

双子葉植物ミカン目の1科。ほぼ全世界に 12属約 800種が知られるが,南太平洋諸島とニュージーランドには分布がない。大半は草本または低木であるが,まれに高木種もある。葉は互生,対生,あるいは輪生するものもあるが,単純な全縁葉で,切込んだり複葉になることはない。花は5数性で,穂状や総状の花序 (→穂状花序 , 総状花序 ) をなす。5枚ある萼片の内側2枚はしばしば花弁状に大きく,花弁そのものは2枚を失って3枚の場合が多い。これらがおしべ (通常は8本ある) の下半部と癒合して,マメ科蝶形花冠に似た独特の花冠をつくる。果実蒴果または核果となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメハギ科」の意味・わかりやすい解説

ヒメハギ科
ひめはぎか
[学] Polygalaceae

双子葉植物、離弁花類草木、低木または小高木。葉は互生し、托葉(たくよう)はない。花は両性左右相称。萼片(がくへん)は離生して5枚が瓦(かわら)重ねに並び、内側の2枚は大きく、花弁状となる。花弁は3~5枚、外側2枚は離生または下側のものと合生し、上方2枚は離生して鱗片(りんぺん)状または退化する。雄しべは8本、ときに4~5本、通常なかば以上までは合生し、上部は開く。葯(やく)は先が開孔する。果実は蒴果(さくか)。世界に13属800種、日本にヒメハギ属、ヒナノカンザシ属の2属が分布する。

[小林純子 2019年11月20日]

 APG分類でもヒメハギ科とされ、世界に17属800~1000種が分布する、
[編集部 2019年11月20日]


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