アフリカ南部、ザンビアとジンバブエの国境を流れるザンベジ川にかかる滝。滝のすぐ上流側で川は浅く広くなり、滝の幅は全体で約1700メートルであるが、島があって四つの部分に分かれている。落差は118メートル。水量は雨期と乾期とで違い、もっとも多くなる4~5月には毎分30万立方メートルもの水が、第三紀の玄武岩の高原にできた狭い割れ目の中に轟音(ごうおん)とともに流れ落ちる。1855年にリビングストンが発見して、当時のイギリス女王にちなんで命名した。1989年に世界遺産の自然遺産として登録されている(世界自然遺産)。現地のマコロク人の呼称はモシ・オ・トゥニャMosi-oa-tunya(「とどろく煙」の意)である。川の北岸のザンビア側は動物保護区、南のジンバブエ側は国立公園となっていて、6~10月の乾期を中心に多数の観光客が訪れる。滝のすぐ下流で、水面から94メートルの高さに長さ198メートルの鉄橋が架かり、ケープ・タウンからルサカに通じる鉄道が通っている。1938年に発電所がつくられた。
[中村和郎]
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…世界で最大の落差を有する滝はベネズエラのアンヘル(エンジェル)滝で979mに及ぶ。滝となって落下する水量の多い点で,世界の三大滝はアメリカとカナダの国境にあるナイアガラ滝(高さはアメリカ滝51m,カナダ滝48m),ブラジルとアルゼンチン国境のイグアス滝(高さ70m),ザンビアとジンバブウェとの間のビクトリア滝(高さ150m)である。ちなみにビクトリア滝の落下水量は毎分30万m3ほどである。…
※「ビクトリア滝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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