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ピナコール ピナコールpinacol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ピナコール
pinacol

(1) 1,2-グリコールで,その1,2位の炭素原子がいずれも第三級炭素原子であるもの。この両炭素原子はアルキル基またはアリール基を結合し,あるいはいくつかの炭素原子を介して環状につながっていることもある。古くはピナコンと書かれたこともある。ケトンをマグネシウムアマルガムやナトリウムアマルガムによって還元するとき,その2分子が結合して生成する。ピナコールは無機酸により分子内転位反応を起し,ピナコロンとなる。これをピナコール転位という。 (2) テトラメチルエチレングリコール C6H14O2 をさす場合もある。アセトンの還元によってつくられ,酸化すると2分子のケトンを生じる。最も簡単なピナコールで,板状晶。融点 45℃ (6分子の結晶水をもつもの) ,38℃ (エーテルより再結晶したもの) 。熱水,エチルアルコールに溶ける。

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世界大百科事典 第2版の解説

ピナコール【pinacol】

ピナコンpinaconeともいう。一般式RR′C(OH)C(OH)R″R‴で表される二価アルコールの総称。R,R′,R″,R‴がアルキル基,アリール基のもの,またRとR″とが結合して環を形成しているものが知られている。ケトンをマグネシウムアマルガムやナトリウムなどの還元剤で還元すると,2分子結合してピナコールを生成する。2種のケトンの混合物を用いると非対称のピナコールが得られる。中性の結晶性化合物で,1,2‐グリコールの性質を示し,希硫酸あるいは希塩酸によりピナコリン転位を起こしピナコリンになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ピナコール
ぴなこーる
pinacol

RR'C(OH)C(OH)R"Rという一般式で表される二価アルコールの総称である。また、それらを代表して一般式のすべての置換基がメチル基であるテトラメチルエチレングリコールをさすこともある。この化合物はアセトンの還元により得られる。また、ベンゾフェノンをアルコール中で光照射するとベンズピナコール(C6H5)2C(OH)C(OH)(C6H5)2とよばれるピナコールが得られる。一般にピナコールは酸の作用により水を失いピナコリンとよばれる化合物に転位をおこす。ピナコールのエーテルには、光により分解してラジカルを発生させるものがあるので、近年、光を用いる印刷などのラジカル発生剤として利用される。たとえば次の反応である。
[徳丸克己]

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世界大百科事典内のピナコールの言及

【ケチル】より

…ラジカルであることは,電子スピン共鳴吸収(ESR吸収)がみられることからわかる。溶液中ではその二量体との間に平衡が存在しており,酢酸などのような薄い酸で処理するとピナコールになる。その平衡は溶媒,対をなす金属イオンなどにより変化する。…

※「ピナコール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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