翻訳|fiberboard
主として木材を解繊し,これを成形して板状にしたもので,繊維板とも呼ばれている。JISによれば,製品の比重によって分類されており,比重0.8以上のものをハードボード,0.4以上0.8未満をセミハードボード,0.4未満をインシュレーションファイバーボードと規定している。ハードボードは,木材繊維に少量のフェノール樹脂を加えて熱圧成形したもので,強度が高く,曲げ,穴あけなどの二次加工が容易にでき,建築,家具材料,電気機器,自動車部品材料などに用いられている。製造法には,繊維のフォーミング工程に水を用いる方法(湿式法)と空気を用いる方法(乾式法)の二つがある。湿式法による場合は,熱圧時にマットに含まれる大量の水分を脱水するために金網を片面に挿入する必要があり,片面網目模様の製品となる。乾式法では,両面平滑の製品が得られるが,湿式法よりも大量のフェノール樹脂を添加する。両製品とも性能にはほとんど差はないが,一般に湿式法では薄い製品(6mm以下)しか作れず,乾式法は厚い製品の製造に適する。なお湿式法では,製造工程中に水を使用するので,その排水処理に多額の費用を要し,今後この方法による新設工場は望めない。セミハードボードは,加工しやすく,木口面が平滑なので,家具材料として関心が高まっている。とくに乾式法による厚めの製品は中比重ファイバーボード(MDF)と呼ばれ注目されている。インシュレーションファイバーボードは,湿式法でフォーミングされたマットを熱圧せずにそのまま乾燥したもので,断熱性と吸音性をもつ材料としておもに建築に用いられている。A級,B級,T級,シージングボードの4種があり,このうちシージングボードは,A級ボードにアスファルトを含浸し,耐水性,耐湿性,強度を高めた黒色の板で,断熱性をもった板材料として建築,とくに枠組壁工法における使用が増えている。またT級は畳床用として開発されたものである。ファイバーボードは,低質材,廃材の有効利用を目的として発展してきたものであるが,設備費がかさむこと,製造エネルギーが大量にかかることなどから,シージングボード,MDF以外は今後生産増は期待できないと考えられる。
執筆者:大熊 幹章
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
…このことから改良木材を木質材料と呼ぶことが多くなってきている。現在,木材工業の中心は製材工業から集成材,合板,パーティクルボード,ファイバーボードなどの材料およびこれらを処理,複合した製品,すなわち改良木材を製造する工業に移ってきたといえよう。
[改良木材の種類]
改良木材には多種多様なものがあるが,基本となるものとして次の4種があげられる。…
※「ファイバーボード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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