ファンダイク(読み)ふぁんだいく(その他表記)Anton van Dyck

デジタル大辞泉 「ファンダイク」の意味・読み・例文・類語

ファン‐ダイク(Anthony van Dyck)

[1599~1641]フランドル画家ルーベンス師事。のち、英国宮廷画家となる。肖像画にすぐれる。バンダイク

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精選版 日本国語大辞典 「ファンダイク」の意味・読み・例文・類語

ファン‐ダイク

  1. ( Anthonis van Dyck アントニス━ ) フランドル出身の画家。ルーベンスの下で修業イタリア遊学後肖像画家として名声を得る。一六三二年渡英し、主にロンドンで宮廷画家として活躍、優雅で気品高い肖像画を数多く残した。代表作「チャールズ一世像」。(一五九九‐一六四一

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファンダイク」の意味・わかりやすい解説

ファン・ダイク
ふぁんだいく
Anton van Dyck
(1599―1641)

ルーベンスに次ぐ17世紀フランドル(ベルギー)の大画家。アントウェルペンの富裕な商人の子に生まれる。早くから画才を現し、17歳のときルーベンスの弟子というよりむしろ助手として入門し、非常な愛顧を受けた。1620年、イギリス王ジェームズ1世に招かれてロンドンヘ渡ったが、まもなくイタリアへ旅立ち、22年いったん帰国のうえ、翌年ふたたびイタリアに赴く。ここでルネサンス期の画家たち、とくにベネチア派ティツィアーノの影響を強く受け、27年帰国後は彼独自の優雅な作風を展開した。32年ふたたびロンドンに渡り、チャールズ1世の首席画家となって、当時のイギリス宮廷貴族の肖像画を多く描いた。しかも、結婚にも名声にも恵まれ、その後のイギリス絵画に決定的ともいうべき影響を与え、41年12月9日、ロンドン近郊のブラックフリーアで没した。

 彼にはルーベンスほどのスケールの大きさはないが、外部からの強い刺激に対してはきわめて敏感であり、その繊麗と優美はまったく独自のものがある。宗教画神話画も多く描いているが、とくに肖像画に優れたものが多く、代表作に『家族の肖像』(サンクト・ペテルブルグ、エルミタージュ美術館)、『自画像』(ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)、『狩場のチャールズ1世』『ビーナスとバルカン』(ともにルーブル美術館)などがある。

[嘉門安雄]

『佐々木基一編『ファブリ世界名画集14 ヴァン・ダイク』(1970・平凡社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファンダイク」の意味・わかりやすい解説

ファン・ダイク
Van Dyck, Anthony

[生]1599.3.22. アントウェルペン
[没]1641.12.9. ロンドン
フランドルの画家。富裕な商家の第7子として生れた。 H.ファン・ババーレンの弟子で,1616~21年には P.ルーベンスの弟子および共同制作者であった。 20~21年アランデル伯の招きでロンドンを訪問,21年からイタリア各都市を歴訪して修業,ティツィアーノの作品に影響された。 27~32年アントウェルペンで活躍,当時不在であったルーベンスに代って,祭壇画や肖像画を多くの弟子を使って制作した。 32年イギリスに渡りチャールズ1世の宮廷首席画家となってナイトに叙せられ,以後8年間ロンドンに滞在し,200枚以上の肖像画を制作した。彼の真価である肖像画の技法は継承され,特に 18世紀のゲインズバラに大きな影響を与えた。代表作『チャールズ1世の肖像』 (ルーブル美術館ほか) ,『枢機卿ベンティボリオ』 (1623頃,フィレンツェ,ピッティ美術館) ,『キリスト哀悼』 (アントウェルペン王立美術館) 。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ファンダイク」の解説

ファン・ダイク
Anton van Dyck

1599~1641

フランドル派の画家。ルーベンスに師事し,のちイタリアにおもむいてティツィアーノ,ベロネーゼの画法を学び,1632年イングランドに渡って,チャールズ1世の宮廷画家となり,国王や貴族の肖像を多く描いた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ファンダイク」の解説

ファン=ダイク
Anton Van Dyck

1599〜1641
フランドルの画家
ルーベンスの弟子で,イタリアでティツィアーノの影響を受けた。イギリスの宮廷画家として「チャールズ1世」などの肖像画を描いた。

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