デジタル大辞泉 「フィルタリング」の意味・読み・例文・類語
フィルタリング(filtering)
2 インターネットなどで、未成年にふさわしくない有害な内容のウェブサイトにアクセスできないようにすること。→フィルタリングソフト →フィルタリングサービス
3 ⇒パケットフィルタリング
4 ⇒電子メールフィルタリング
5 データベースなどで不要なデータを取り除き、特定の条件に合うデータを取り出すこと。
翻訳|filtering
特定サイトへのアクセスを制限するサービス。もともと、ある条件を定めて選別したり、取り出したりするという意味で、濾過(ろか)を表す英語である。ICT(情報通信技術)分野では、さまざまなフィルタリング機能が用いられ、おもにセキュリティ対策に利用される。なお、電子商取引やインターネット広告の分野では、利用者の嗜好(しこう)性を分析し興味があると想定される商品などを優先掲示するサービスを、フィルタリングとよぶことがある。
セキュリティ対策としてのフィルタリングは、サイトなどの情報をブロックして表示させない目的で用いられ、ブロッキングともよばれる。プロバイダー(接続事業者)、携帯電話事業者などが提供しており、フィルタリングサービスと総称される。代表的なフィルタリングサービスは、(1)特定サイトへの接続を制限するインターネットフィルタリング、(2)受信メールなどを選別する電子メールフィルタリング、の二つに分かれる。インターネットフィルタリングは、おもに未成年者が不適切サイト・コンテンツを閲覧しないように、URL情報や分類情報をもとにブロックする措置で、閲覧制限、ウェブフィルタリング、URLフィルタリング、コンテンツフィルタリングともよばれる。電子メールフィルタリングは、広告や勧誘などの目的で配信されるスパムメール(迷惑メール)、コンピュータウイルスに感染するおそれのある添付ファイル、危険なサイトのリンク情報を自動的にチェックし、閲覧したり添付ファイルを開封したりしないように選別する。
なお、インターネットフィルタリングの一種として、携帯電話やスマートフォンを利用する未成年者が、有害サイトにアクセスしないように、携帯電話事業者が特定サイトの閲覧をブロックする「有害サイトアクセス制限サービス」が無料で提供されている。その仕組みは、(1)携帯電話事業者がリスト化した健全なサイトのみを閲覧できるホワイトリスト(携帯事業者提供リスト)方式と、(2)有害と認められたサイトを除き、原則すべてのサイトにアクセスできるブラックリスト(特定分類アクセス制限)方式、に大別される。それぞれ一長一短があり、携帯電話事業者は利用時間でブロックする時間帯制限、学齢別の推奨設定による制限、個別サイトやカテゴリーごとに閲覧制限を設ける個別フィルタリングなどを組み合わせて提供し、保護者による適切な選択と設定を促している。
未成年者向けのフィルタリングは、2009年(平成21)4月に施行された青少年ネット規制法(正称「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」平成20年法律第79号)に基づき、原則、未成年者が利用する際にはフィルタリングを設定するよう定められている。2022年(令和4)12月時点の18歳未満の契約者によるフィルタリングサービスの加入率は75%、携帯電話事業者による店頭等での設定率は74%にとどまっており、未成年者へのスマートフォン普及は進んだが、フィルタリングの設定率などは横ばいで推移している。
なお、政府は2018年、プロバイダーなどが強制的に有害サイトの閲覧を遮断する「サイトブロッキング」の法制化を検討したが、通信業界、著作権者、マスコミなどから、憲法が保障する「表現の自由」や「通信の秘密」を侵害しかねないとの反対論が出たため、実現していない。
また、電子商取引サイトやネット広告の分野では、フィルタリング機能が飛躍的に浸透している。これは利用者が閲覧したサイトや購入商品情報をもとに、あらかじめ設定された属性と同グループに属する別商品の情報を提供する仕組みである。このようなフィルタリングには、コンテンツベースフィルタリングや協調フィルタリングとよばれる技術が用いられている。
[矢野 武 2023年5月18日]
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
…中・高所得層が自助努力によって,戦後住宅事情を飛躍的に向上させたことは確かである。しかし住宅改善の下向波及(フィルタリング・プロセス)がうまく機能せず,低所得層,それも非白人層の住宅事情が低位に据えおかれている。第3は公・民中間型のものである。…
※「フィルタリング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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