フェス(英語表記)Fes

百科事典マイペディアの解説

フェス

モロッコ北部の都市。フェズとも。アラビア語ではファースカサブランカ東北東約250km,アトラス山脈の北東山麓,標高約350mにある。交通の要地で,農産物の集散・加工,皮革工業などが行われる。イドリース朝のとき789年建設され,とくに13世紀にマリーン朝の下で商工業が発展,学術,宗教の面でも栄えた。1912年以後フランスが西欧風新市街を建設。中世のモスクが多い。歴史的観光地としても有名で,旧市街は1981年世界文化遺産に登録。94万7000人(2004)。

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世界大百科事典 第2版の解説

フェス【Fez】

モロッコ北部の内陸都市。同名県の県都。アラビア語でファースFās,また一般にはフェズともよばれる。人口56万4000(1993)。789年,イドリース朝(789‐926)の建国者イドリース1世がセブ川上流のフェス・ワーディー(涸れ川)のくぼ地に建設したのが起源。9世紀初め,コルドバおよびチュニジアカイラワーンから多くの亡命者来住,コルドバからの者が川の右岸に,カイラワーンからの者が川の左岸に住みついてそれぞれアンダルス地区,カラウィイーン地区として急激に発展した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェス
Fès

モロッコ中北部,フェス州の州都。中央アトラス山脈北麓,セブ川の支流フェス川に臨み,オリーブなどの果樹園の広がるなだらかな丘に囲まれる。アルジェリアなどのテル地方の東西交通の要衝にあたる。 790年イドリース1世によってフェス川の右岸に,808年イドリース2世によって左岸に町が建設され,11世紀にムラービト朝のもとで双方が合併し,イスラム世界有数の都市となり,マリーン朝治下の 14世紀中頃に最盛期を迎え,人口 20万といわれた。町は三つの部分からなる。旧市街は 1981年世界遺産の文化遺産に登録。その中心は 857年頃に建てられたカラウィーン・モスクで,2万 2000人の参詣人を収容できる。カラウィーン大学 (859) もありイスラム文化の一大中心。 13世紀に建てられた新市街には,多彩色の尖塔をもつ美しい大モスク,王宮,ユダヤ人居住区がある。 20世紀のフランス植民地時代の近代的市街が南西の台地を占める。農畜産物を集散,加工する。絨毯,モロッコ皮加工,陶器,タイル,トルコ帽などの手工業が盛ん。人口 44万 8823 (1982) 。

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