トルコ帽(読み)トルコボウ

デジタル大辞泉 「トルコ帽」の意味・読み・例文・類語

トルコ‐ぼう【トルコ帽】

円錐台形の、つばのない帽子頂上の中央に房をつける。もと、トルコ人がかぶっていたところからの名。今はイスラム教徒が多く着用。
[類語]帽子被り物シャッポキャップハットソフト帽かんかん帽麦藁帽子パナマ帽制帽学帽角帽チロリアンハットテンガロンハット正ちゃん帽山高帽子シルクハット中折れ鳥打ち帽鳥打ち帽子ハンチングベレーボンネットビーニー

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精選版 日本国語大辞典 「トルコ帽」の意味・読み・例文・類語

トルコ‐ぼう【トルコ帽】

  1. 〘 名詞 〙 トルコ人が多く用いる帽子。円錐台形のフェルト帽で、つばがなく、平らな頂上の中央から黒い房をたらす。また、その形の帽子。
    1. [初出の実例]「土耳其帽(トルコバウ)を冠った十徳姿何処かのお祖父さんが」(出典平凡(1907)〈二葉亭四迷〉一九)

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改訂新版 世界大百科事典 「トルコ帽」の意味・わかりやすい解説

トルコ帽 (トルコぼう)

赤いフェルトでつくられた円筒状で,小さな房飾を中心から垂らした帽子。おもにオスマン帝国時代のトルコで用いられ,トルコ語ではフェスfesとよばれる。この名称はモロッコのフェスで製作されたことに由来する。もともとモロッコ人がかぶっていたのがはじまりで,16世紀にオスマン帝国支配下のアルジェリア船長海賊が愛用した。1827年,オスマン帝国は軍事改革の一端として,陸軍の制帽としてこれを採用し,さらに政府の役人にも着用が命ぜられて一般化した。エジプトでは近代の改革運動を担った先進的知識人が一時これをかぶったが,トルコでは共和国成立後,トルコ帽の着用はイスラム旧習を象徴するものとして禁止された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルコ帽」の意味・わかりやすい解説

トルコ帽
トルコぼう
tarboosh

フェズ fezともいう。エジプト,アラビア,トルコのイスラム教徒の男性用の帽子。赤いフェルト製,黒い房飾りつきで,つばがなく,バケツを伏せたような形をしている。トルコ王マフムート2世制定に始り,1925年9月,トルコ共和国政府により,女性のベールとともに禁止令が出された。フランス語のシェシア chéchiaはこれと同型のアフリカやアラビア北部部隊の兵士用キャップをさす。

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百科事典マイペディア 「トルコ帽」の意味・わかりやすい解説

トルコ帽【トルコぼう】

モロッコ人やトルコ人がかぶっていたブリム(つば)のない頭にぴったりついた帽子。トルコ語ではフェスfesとよばれる。赤いフェルトで作られ,上がややつぼまった円筒形。トーク型の帽子はこれから変化したものといわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のトルコ帽の言及

【ターバン】より

…緑色は預言者ムハンマドの子孫を示す色となり,赤色はバイユーミー教団のデルウィーシュのシンボルとなった。近代になるとターバンを巻く者をムアンマムといい,保守伝統派をなし,一方タルブーシュ帽(トルコ帽)をかぶる者はムタルバシュと呼ばれ,進歩派となり対立がみられたが,トルコでもケマル・アタチュルクが宗教人以外にはターバンを廃止させ,エジプトでは現在アズハルのシャイフや農村部の老人層が着けるのみとなった。【奴田原 睦明】
[帽子としてのターバン]
 ヨーロッパで,このように長い布を巻いたかぶり物が婦人帽として流行したのは,19世紀の初期である。…

※「トルコ帽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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