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フェナントレン phenanthrene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェナントレン
phenanthrene

化学式 C14H10 。無色の結晶。融点 100℃。縮合環式芳香族炭化水素の一つで,コールタール中に含まれる。ベンゼン,エーテル,アルコールなどに可溶で,溶液は青白色のケイ光を発する。ピクリン酸,ジニトロベンゼンなど芳香族ニトロ化合物と分子化合物をつくる。発癌性をもつと考えられている。

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百科事典マイペディアの解説

フェナントレン

三環式の縮合環をもつ芳香族炭化水素C14H1(/0)。無色の結晶。融点99.15℃,沸点340℃。水に不溶エタノールに難溶。染料,樹脂,医薬の原料。

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世界大百科事典 第2版の解説

フェナントレン【phenanthrene】

芳香族炭化水素の一つ。ベンゼン環が3個縮合した分子構造を有する化合物。やはりベンゼン環が3個縮合した形のアントラセンとは縮合の位置が異なる異性体である。石炭乾留で得られるコールタールを分留する際のアントラセン油中に含まれ,精密蒸留により分離する。青色の蛍光を有する無色の板状結晶で,融点99.15℃,沸点340℃。水に不溶,クロロホルム,ベンゼンなどの有機溶媒に可溶。酸化するとフェナントレンキノンに,還元すると各段階の水素化化合物になる。

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大辞林 第三版の解説

フェナントレン【phenanthrene】

コールタールから分離される芳香族炭化水素。化学式 C14H10 蛍光をもつ白色板状結晶。アントラセンの異性体。樹脂・薬品などの原料。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェナントレン
ふぇなんとれん
phenanthrene

3個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素。アントラセンと異性体の関係にある。
 無色板状結晶で、ベンゼン、エーテルには溶けるがアルコールには溶けにくい。1872年ドイツのR・フィティッヒにより、コールタール中に存在することがみいだされ、主としてアントラセン油から分離される。またスチルベンの光による環化・脱水素反応によっても得ることができる。
 アントラセンより共鳴エネルギーは大きく(387.5kJ/mol)、安定である。溶液は青色の蛍光を放つ。クロム酸を用いて酸化すると、フェナントレンキノンが得られる。求電子置換反応を受けるが、多置換体や混合物になるので、誘導体を純粋に合成するのにはハウワース法が優れている。染料、医薬品の合成原料として重要である。[向井利夫]

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