フェルドマン(英語表記)Morton Feldman

改訂新版 世界大百科事典 「フェルドマン」の意味・わかりやすい解説

フェルドマン
Morton Feldman
生没年:1926-87

アメリカ作曲家。1950年前後にケージに出会い,決定的な影響を受け,若い音楽家や前衛的画家たちとの交流を通じ,不確定性の音楽を目ざす。その一方ウェーベルンバレーズの影響を受けた。初めてといわれる図形楽譜(高,中,低というおよその音域を示す)を用いた器楽のための《プロジェクションⅠ~Ⅴ》(1950-51)は点描的で寡黙な作品であった。60年代以降伝統的記譜法を用いるようになるが,厳しく構築された音楽の中に演奏者の選択の自由を取り込む方法と,静的な音響世界は守られている。音価に相対的自由を与える器楽のための《デュレーションズⅠ~Ⅴ》(1960-62),楽器の選択をゆだねる打楽器のための《デンマークの王》(1964)をはじめ,管弦楽や合唱,声などさまざまな媒体による多数の作品がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェルドマン」の意味・わかりやすい解説

フェルドマン
Feldman, Morton

[生]1926.1.12. ニューヨーク
[没]1987.9.3. バッファロー
アメリカの作曲家。作曲を W.リーガー,S.ウォルペに学ぶ。 1950年 J.ケージと出会い,そのグループであるニューヨーク派に参加。西欧音楽の伝統的な構造化の技法から離れ,音そのものの響きに注目して,51年からのシリーズ『プロジェクション』で図形楽譜を考案した。また,P.ガストン,M.ロスコらの前衛画家たちと親交を結び,大きな影響を受けた。作風は瞑想的で,ゆるやかな時間の流れのなか,ほとんど弱音に終始する変化の少い作品が多い。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「フェルドマン」の解説

フェルドマン

アメリカの作曲家。1950年にジョン・ケージと出会って弟子となった。図形楽譜などを用いた実験的な作曲家として知られるようになる。その作品は年を経ることに音が少なく長大になる傾向にある。特に晩年の作品は ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

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