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フェート Fet, Afanasii Afanas'evich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェート
Fet, Afanasii Afanas'evich

[生]1820.12.5. ノボセルキ
[没]1892.12.3. モスクワ
ロシアの詩人。両親が正式に結婚する前に生れたため,ドイツ系の母の姓を名のり,地主である父方の姓 Shenshinに改名後もペンネームとしてフェートを用いた。彼の詩は自然美への強い共感,情緒性,非合理性,主観性などを特徴とし,描写は繊細で旋律に富んでいる。外国文学の翻訳者としても知られ,ゲーテの『ファウスト』や古典的な詩などを訳出している。代表作『抒情的パンテオン』 Liricheskii panteon (1840) 。

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世界大百科事典 第2版の解説

フェート【Afanasii Afanas’evich Fet】

1820‐92
ロシアの詩人。フェートはドイツ人の母の姓。父はオリョール県の地主。両親がロシア正教会で結婚式を挙げないうちにできた子で,母の姓を名のらされ,貴族の権利を継承できなかった。そのため差別を受け,生涯をその権利の獲得に費やし,1873年についに父の姓シェンシンShenshinを名のることに成功した。1840年モスクワ大学在学中に処女詩集《抒情詩のパンテオン》を出して,ロシア詩に新しい韻律と言葉をもたらしたが,その高踏的・唯美的な詩は時流に合わず,60年代には沈黙した。

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大辞林 第三版の解説

フェート【Afanasii Afanas'evich Fet】

1820~1892) ロシアの詩人。純粋芸術派の詩人として、音楽的な美しい抒情詩を書いた。詩集「夕べの灯火」、回想録「わが回想」がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェート
ふぇーと
Афанасий Афанасьевич Фет (Шеншин) Afanasiy Afanas'evich Fet (Shenshin)
(1820―1892)

ロシアの詩人。地主貴族シェンシンが国外から連れてきた、ドイツ人官吏(実父)の妻を母にシェンシンの領地で生まれた。14歳で出生の秘密を知り、貴族の特権とシェンシン姓を奪われる。以来それを回復するために、軍務、領地経営、侍従職の打算と虚栄に明け暮れる生の散文が営まれたが、詩的世界は忌まわしい現実(ほかに母方の精神病の形質に詩人はおびえた)とは、およそかけ離れたところに成立した。詩才の開花は1850年代なかばからで、60年代には文壇主流の社会学的文学に論争を挑み、純粋美を主張した。フェートの詩の特徴は、つかのまの感覚、とらえがたい感情の捕捉(ほそく)に心を砕き、ことばによって表せぬものを詩行の響きとリズムによって伝えようとするところにあり、シンボリズムに通ずる。代表作である一連の詩集『夕べの灯』(1883~91)にはショーペンハウアーの影響もうかがわれる。[島田 陽]

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