ブックフェア(その他表記)book fair
Buchmesse[ドイツ]

デジタル大辞泉 「ブックフェア」の意味・読み・例文・類語

ブック‐フェア(book fair)

書籍見本市。図書展。出版関係業者の取引の場や、慈善など特定目的のために書籍の販売を行う場をいう。
あるテーマもとに関係書籍を売り場に集めて行う、販売促進のための催し物。

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精選版 日本国語大辞典 「ブックフェア」の意味・読み・例文・類語

ブック‐フェア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] book fair )
  2. 書籍見本市。図書展。出版関係業者の取引の場や、慈善など特定の目的のために書籍の販売を行なう場をいう。
  3. あるテーマのもとに関係書籍を売り場に集めて行なう、販売促進のための催し物。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブックフェア」の意味・わかりやすい解説

ブック・フェア
book fair
Buchmesse[ドイツ]

図書展,書籍見本市と訳され,多数の出版社がそれぞれの出版物を持ち寄って,主にその販売権,出版権などの売買を目的とした展示会のことをいう。とりわけ世界の約20ヵ国で定期的に開催されている国際図書展のことをさすことが多いが,そのうち最大のものはドイツフランクフルト市のもの(Frankfurter Buchmesse)である。フランクフルトではすでに15世紀末には毎年ブックフェアが開かれていた記録があり,16世紀にはイギリスフランスなども参加するようになって,17世紀にはたいへん盛んであったという。18世紀以降は,文芸の中心地ともなったライプチヒのほうが盛んになって,第2次世界大戦前までドイツ・ブック・フェアとして行われていた。しかし戦後の東西分割時代にその開催地は1949年にフランクフルトに移され,現在に至っている。その後もライプチヒ・フェアは続いているが,小規模のものとなった。フランクフルト・ブック・フェアはドイツ書籍協会(1825設立)によって運営されており,当初は世界の書籍出版社,卸売業者,小売業者のための販売促進が目的であったが,数年後には現在のように出版権,著作権の売買が主流となった。今日では100ヵ国以上から数千の出版社が参加している。そのほか国際図書展と銘うって毎年定期的に開催されるのは表のとおりである。そのうち日本の出版社が多数参加する主要なブック・フェアは,フランクフルトのほかに,ボローニャ児童図書展,アメリカン・ブックセラーズ・アソシエーション大会(略称ABA)である。この三つは年々規模が拡大し,さらにその重要性を増している。なお,日本でも〈東京国際ブックフェア94〉(1994年1月,出版7団体の共催)のころから,著作権取引を主とするブック・フェアが定着しつつある。

 世界的ベストセラーはブック・フェアでも高額で取引され,話題も集中する。超有名作家の新作はほんの数枚の梗概(こうがい)の段階で売買され,人気作品には激烈な競争がつきまとう。モハメド・アリの自伝がランダム・ハウス社(アメリカ)から売り出されたとき,ドイツの出版社間で激しい競争があり,最終的に権利を獲得した出版社が最後まで競い合った相手が,自社傘下の子会社であったことが後に判明して仰天したことがある。

 ブック・フェアが生んだ最大の成果は,国際共同出版の手法である。カラー印刷が日常的になった現代でも,カラー・ページの多い大企画は一出版社だけでは初期コストが大きくて手に余る場合があるが,ブック・フェアを通じて各国語版の受注をとることにより,大量印刷が可能になって(文字部分だけ差し替える),カラフルで高品質の本が安価で出版できるようになった。現在では,日本からも多くの本がブック・フェアを通じて海外へ紹介されている。
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百科事典マイペディア 「ブックフェア」の意味・わかりやすい解説

ブック・フェア

出版物の版権,販売権等の交渉・売買を目的とした書籍見本市のこと。一般には,定期的に催される国際的な規模のものをいう。最大のものは,15世紀にさかのぼる歴史を持つ,ドイツのフランクフルト・アム・マイン市で開かれるもの(例年10月開催)。2003年の第55回展には世界102ヵ国から出版社6611社(うちドイツ2735社)が出展,関係者約28万人が参加した。ほかに,ボローニャ国際児童図書展,ブックエクスポ・アメリカ,モスクワ・ブック・フェア,ソウル国際ブックフェア,北京国際ブックフェアなどが知られる。1990年から開かれている東京国際ブックフェアはアジア最大規模の書籍見本市で,2004年の第11回展には世界29の国・地域から出版社など587社(国内470社)が出展,関係者約4万8000人が参加した。
→関連項目文字・活字文化振興法

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知恵蔵 「ブックフェア」の解説

ブックフェア

出版物の催事セール、展示会。商取引の書籍見本市(book exposition)。書店での特定分野の催事(ミステリ-小説フェアなど)、あるいはテーマを設定した催事。主な書籍国際見本市は世界で63開催(2006年、出版文化国際交流会調べ)。最大はフランクフルト・ブックフェア(独)で、各国の出版社、版権エージェント(出版権売買交渉の代理人)、書籍卸業者、書店関係者らが参加して取引交渉する。英語圏最大は、全米書店協会が開催するブック・エクスポ・アメリカ(BEA:Book Expo America)。絵本取引ではボローニャ児童図書展(伊)。日本の東京国際ブックフェア(06年で第13回)は、直接参加する欧米の出展者が少ない。

(村上信明 出版流通ライター / 2007年)

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