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ブフナー Buchner, Eduard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ブフナー
Buchner, Eduard

[生]1860.5.20. ミュンヘン
[没]1917.8.13. ルーマニア
ドイツの生化学者。ミュンヘン,エルランゲン各大学に学び,A.バイヤーに師事し,1888年に学位取得。有機合成化学を研究する一方,K.ネーゲリの影響を受けて発酵現象に関心をいだく。テュービンゲン大学 (1896) ,ベルリン農科大学 (98) ,ブレスラウ大学 (1909) ,ウュルツブルク大学 (11) 教授を歴任。酵母の存在によって発酵が起ることに関して,それが,生きた酵母細胞に特有の現象であるという解釈と,酵母の体内に含まれる特定の物質による化学反応であるとする考え方の両方がその頃まで並存していた。 96年ブフナーは酵母をすりつぶして細胞構造を破壊してもなお発酵作用が失われないことを見つけ,発酵が化学反応であることを立証した。さらにその中から,発酵を行う因子を抽出し,その化学的性質を調べて,それが蛋白質であることを推定した。これら一連の努力の結果,発酵現象を化学的に研究する道が開け,ここに発酵化学という新しい学問領域が成立した。 1907年ノーベル化学賞を受賞した。

ブフナー
Buchner, Hans Ernst Angass

[生]1850.12.16. ミュンヘン
[没]1902.4.5. ミュンヘン
ドイツの細菌学者,免疫学者。 E.ブフナーの兄。 1875年軍医となり,94年ミュンヘン衛生研究所所長。体液免疫説を提唱し,伝染病を経過すると細胞は変化を起して,再感染に反応しなくなると主張した。また先天性免疫の本態として,血清中の殺菌性物質を指摘し,アレキシン alexin (今日,補体 complementといわれるもの) と命名した。

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百科事典マイペディアの解説

ブフナー

ドイツの生化学者。ミュンヘン,エルランゲン両大学に学び,ベルリン大学教授などを経て,ビュルツブルク大学教授。酵母を摩砕圧搾して得た液で,細胞なしでもアルコール発酵が起こることを発見。

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世界大百科事典 第2版の解説

ブフナー【Eduard Buchner】

1860‐1917
ドイツの生化学者。ミュンヘン,エルランゲンなどの大学に学び,ベルリン(1898),ブロツワフ(1909),ビュルツブルク(1911)の各大学教授をつとめる。酵母の無細胞抽出液でアルコール発酵を初めて確認した(1897)。これは発酵が生きた細胞の生理現象であるとするパスツールの見解を乗り越える重要な契機となった。酵母から薬理作用のある物質を抽出する目的で,防腐のために糖を大量に加えてあったのが,発見を導いたといわれる。

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大辞林 第三版の解説

ブフナー【Eduard Buchner】

1860~1917) ドイツの生化学者。アルコール発酵の研究を通じて「生細胞なしの発酵」を見いだし、発酵が酵素の作用に由来することを示した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブフナー
ぶふなー
Eduard Buchner
(1860―1917)

ドイツの生化学者。ミュンヘン生まれ。ミュンヘン、エルランゲン両大学で学び、ベルリン、ブレスラウ、ウュルツブルク各大学の教授を歴任した。第一次世界大戦に従軍し、戦傷を受け、ルーマニアで死去した。彼は細菌学者である兄ハンスHans Buchner(1850―1902)に刺激され、酵母の細胞をすりつぶして絞り汁をつくり、これに糖を加えたところ、発酵がおこってアルコールが生成されることを確かめた(1897)。パスツール以来、生命なしには発酵はないと考えられていたのが、この実験によって、生きている細胞なしにも発酵がおこることが明らかになり、今日の生化学や分子生物学の基礎が築かれた。この業績により1907年にノーベル化学賞を、それまでの最年少の46歳で受賞した。彼は酵母の無細胞抽出液中にある発酵の要素をチマーゼと命名したが、これは単一な酵素ではなく、多くの酵素の混合物である。[宇佐美正一郎]

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世界大百科事典内のブフナーの言及

【酵素】より


[酵素研究の歩み]
 上述のように,発酵という微生物の細胞の働きを通して,その実体がなんであるかは不明のまま,人類は酵素を有効に利用してきたのであるが,酵素を生命体から抽出単離して利用することが可能であることを実証したのは,パヤンAnselme Payen(1795‐1871)とペルソJean François Persoz(1805‐68)による酵素ジアスターゼの発見・命名(1832)と,麦芽の無細胞抽出液によるデンプンの糖化の達成(1833),さらにT.シュワンによる胃液中の消化酵素の発見(1836)とペプシンの命名がこれに続くいくつかの先駆的業績のきっかけとなった。 酵素はこうして生命現象そのものと決して不可分ではないという認識がしだいに深まってきたが,有名なJ.F.リービヒとL.パスツールの生気論争,またE.ブフナーによる酵母の無細胞抽出液によるアルコール発酵の達成(1896)を頂点として,酵素分子が生体内の代謝を行うタンパク質性の触媒であることへの理解が深まっていったが,決定的な証拠はまだ得られなかった。その間,キューネWilhelm Kühne(1837‐1900)は,〈酵母の中に存在するもの〉の意味するギリシア語をもとにEnzymという名を付与した(1878)。…

【生化学】より

…発酵が生命現象であることを示したのは,L.パスツールである。さらに1897年に,E.ブフナーは,酵母の抽出液,すなわち無生物系でも発酵現象が見られることを示した。ついでこれらの現象に関与する酵素の研究が始まり,生命現象を化学の言葉で説明することが可能であると確信されるようになった。…

※「ブフナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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