チマーゼ(読み)ちまーぜ(英語表記)Zymase ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チマーゼ」の意味・わかりやすい解説

チマーゼ
ちまーぜ
Zymase ドイツ語

糖類発酵してアルコール炭酸ガスにすることのできる酵母抽出液にある酵素系の呼び名。かつては発酵は生体細胞)なしにはおこらないと考えられていたが、1897年ドイツの生化学者ブフナーが、ビール酵母の細胞を壊した抽出液でアルコール発酵を行わせることに成功し、この酵母抽出液をチマーゼと名づけた。実際にはこの抽出液中にフォスフォリラーゼなど十数種の酵素が含まれている。この発見によって発酵化学、酵素化学は画期的な進歩を遂げ、現在では関係するすべての酵素とその反応が明らかにされている。

[伊藤菁莪]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チマーゼ」の意味・わかりやすい解説

チマーゼ
zymase

アルコール発酵に関連した 10種余に及ぶ一群の酵素の総称。 1897年 E.ブフナーが酵母細胞をすりつぶし,圧搾して得た無細胞液汁に,アルコール発酵力のあることを発見し,この成分をチマーゼと名づけた。のちに発酵の詳細な機構がわかり,この成分が多数の酵素から成ることが判明した。

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