ブロッケン山(読み)ブロッケン(その他表記)Brocken

翻訳|Brocken

デジタル大辞泉 「ブロッケン山」の意味・読み・例文・類語

ブロッケン(Brocken)

ドイツ中央部、ハルツ山脈最高峰。標高1142メートル。年に一度ワルプルギスの夜に魔女たちが集まるという伝説があり、ゲーテ戯曲ファウスト」にも描かれた。ブロッケン山。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブロッケン山」の意味・わかりやすい解説

ブロッケン[山]
Brocken

ドイツ中央部に位置するハルツ山地の最高峰。標高1142m。頂上からの眺望はすばらしい。古生層を貫く花コウ岩よりなる。北海からの北西風に直接さらされて年間降水量が1600~1700mmと多く,またそれらが地下に浸透しにくいため,平坦な高原上には広大な湿原が生じ,低地の都市の水源となっている。古来多くの民話の舞台となっており,ブロッケンの妖怪(頂上で太陽を背に立つ人や物の影が前方の霧の壁に巨大な女や妖怪の姿のように映って見える現象)で知られる。また,ワルプルギスWalpurgisの夜(五月祭の前夜,すなわち4月30日の夜),妖怪や魔女たちが集まって,悪魔のお祭りを祝うと伝えられており,これはゲーテの《ファウスト》に記されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロッケン山」の意味・わかりやすい解説

ブロッケン山
ぶろっけんさん
Brocken

ドイツ中央部のハルツ山地の最高峰。花崗(かこう)岩からなり、標高1142メートル。ザクセン・アンハルト州にあり、山頂テレビ塔やホテルがある。ワルプルギス祝日の前夜(4月30日の夜)魔女たちがここに集まって酒宴を催すと伝えられ、ゲーテの『ファウスト』に出てくるので著名。第二次世界大戦後、観光・登山客は減少している。登山者の影が霧に映る「ブロッケンの妖怪(ようかい)」現象はこの山に由来する。

[浮田典良]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロッケン山」の意味・わかりやすい解説

ブロッケン山
ブロッケンさん
Brocken

ドイツ,ニーダーザクセン州とザクセンアンハルト州との間にあるハルツ山地の最高峰 (1142m) 。ハルツ山地に花崗岩がドーム状に突出したもので,四方の眺望がよい。古くからドイツの民話に妖怪の集る山として登場し,ゲーテの『ファウスト』にも現れ,ドイツ人に親しまれている。「ブロッケンの妖怪」現象でも広く知られる。山頂まで自動車道が通じ,ホテルやテレビ塔が設けられている。

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世界大百科事典(旧版)内のブロッケン山の言及

【ワルプルギスの夜】より

…ドイツの民間伝承で五月祭(5月1日)の前夜をいう。この夜,魔女たちの集会(サバト)がハルツ山地の最高峰ブロッケン山で開かれ,魔王を囲んでの乱痴気騒ぎが繰り広げられるとされ,とくにゲーテ《ファウスト》における描写で有名である。その名は,ボニファティウスのドイツ伝道に従ったイングランドの修道女ワルブルガWalburga(?‐780ころ)に由来する。…

※「ブロッケン山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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