日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロムワレリル尿素」の意味・わかりやすい解説
ブロムワレリル尿素
ぶろむわれりるにょうそ
bromvalerylurea
催眠・鎮静剤で、1908年ドイツのクノール社でブロムラールの商品名で初めて発売され、日本ではブロバリンやカルモチンの商品名でかつてはよく使用されたものであるが、現在では新しい薬剤にかわり、ほとんど使用されなくなった。催眠作用のほか、鎮痛作用と緩和な鎮静作用もあり、日本薬局方の製剤にはフェナセチン・ワレリル尿素散、ジフェンヒドラミン・ワレリル尿素散がある。通常、不眠には0.5~0.8グラムを就寝前に1回服用する。鎮静の目的では1日0.6~1グラムを3回に分けて経口投与する。ブロムワレリル尿素は無色または白色の結晶あるいは結晶性粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。劇薬で、極量は1回2グラム、1日3グラムである。
[幸保文治]