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ヘテロタリズム ヘテロタリズム heterothallism

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘテロタリズム
ヘテロタリズム
heterothallism

異体性または異株性ともいう。形態的には同じでありながら,2種または数種の系統があって,その1つの系統内だけでは接合が不可能で,性的結合の相手となりうる型の系統と組合せると,接合子もしくは2核細胞の形成が可能になるような藻体または菌体をもつこと。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヘテロタリズム
へてろたりずむ
heterothallism

菌学上の用語。真核菌類有性生殖において二つの菌糸体の相互作用が必要な場合をいい、異体性と訳される。菌類の有性生殖では、雌雄の接合要素があっても一菌糸体だけでは接合できない場合があるし、また、雌雄の特徴のない二菌糸体間で接合が行われるなど、いろいろな生殖法がみられる。これらの菌類は、動植物類が雌雄性を発達させたのに対して、和合性が著しく分化しているということができる。
 ヘテロタリズムは三つに大別され、それぞれに二型があるため、基本型は六つに分けられる。[寺川博典]

形態的ヘテロタリズム

相互作用があって接合をおこす二つの菌糸体が形態的に異なっている場合である。遺伝的には性因子によると考えられている。性因子は形態的に見分けられる雌または雄の接合要素を生ずる遺伝子である。(1)雌雄型の形態的ヘテロタリズム 相同染色体上の一対の性因子による場合で、性の分化のもっとも簡単な型である。一対の性因子は減数分裂のときに分離し、雌雄異体ができ、どの雌雄間でも接合する。ツボカビ類、接合菌類の一部のもの、および子嚢(しのう)菌類のラブルベニア類でみられる。(2)相対型の形態的ヘテロタリズム 多くの性因子が相対的に働く場合であって、性の分化のすこし複雑な型である。一菌糸体では接合がおきないが、他のどの菌糸体とも接合することができ、多くのものは相手しだいで雌または雄となる。ワタカビなどを含む卵菌類でみられる。[寺川博典]

形態的生理的ヘテロタリズム

雌雄同体の場合と、性因子による雌雄異体の場合とがある。しかも、接合する2個体は、不和合因子によって遺伝的に生理的な差がある。不和合因子A1A2は性因子とは別の一対の相同染色体上にあって、減数分裂のときに分離し、のちに成長した個体はA1型またはA2型である。性因子がある場合でもない場合でも、同じ不和合因子をもつ個体間では接合することは許されない。(3)雌雄同体の生理的ヘテロタリズム 同一個体上に形態的に異なる雌雄の接合要素があるが、同じ不和合因子をもつため、1個体では接合しないし、同じ因子型の別個体とも接合しない。接合するのは、たとえば、A1型個体上の雌接合要素とA2型個体上の雄接合要素との間である。アカパンカビなどの子嚢菌類と、担子菌類のサビキン仲間の多くのものにみられる。(4)雌雄異体の生理的ヘテロタリズム 一対の性因子と一対の不和合因子がある場合にみられる。これらの因子は、それぞれ減数分裂のときに分離するので、個体には四つの交配型ができることとなる。接合するのは、たとえば、A1型雌個体とA2型雄個体との間である。子嚢菌類で非常にまれにみられる。[寺川博典]

生理的ヘテロタリズム

接合する2個体間に形態的区別がなく、生理的に異なっている場合である。一対の不和合因子A1A2による二極性と、二対の不和合因子A1A2、B1B2による四極性とがある。(5)二極性生理的ヘテロタリズム 一対の不和合因子は減数分裂のときに分離するので、各個体はA1型かA2型かどちらかの交配型に属し、不和合因子の異なる個体の体細胞間で接合がおこる。コウボキン類やクロボキン類でみられる。担子菌類の多くは、二極性よりもむしろ、次にあげる四極性である。(6)四極性生理的ヘテロタリズム 不和合因子であるB1B2は、A1A2とは別の相同染色体上にあるため、減数分裂の結果として4種の組合せができ、交配型はA1B1、A1B2、A2B1、A2B2の四つとなる。しかし、接合は共通因子が一つもない組合せ、A1B1とA2B2の間、およびA1B2とA2B1の間でおこる。交配型は基本的にはこの四つであるが、不和合因子は、しばしば染色体上における「座」に変化がおき、異なる対立形質を生ずる。たとえば、A1A2のほかに少数のA3A4ができるなどである。こうして代を重ねるとAnまでできることになり、B因子の場合もこれに似た様式となる。したがって、交配型は非常に多様化しているといえる。[寺川博典]

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